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テレビコマーシャル考

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 日本を離れてはや9年、日本のテレビ番組を見る機会はとんとありません。もともと日本でも、テレビを見る習慣があまりなかったので支障はないのですが、たまに帰省すると、「ああ、そういえば、日本はそうだったなあ」と気づかされます。
 例えば、グルメ番組が異様に多い、画面下にいちいちキャプションが付く、などなど。
 そういった日本とNZの違いの一つに、日本ではコマーシャルにタレントが多用されている、という点が挙げられます。
 そもそも、きれいな女優さんがオフィスのプロジェクターを宣伝しても、なんだか説得力がないような気がするのですが、どうでしょうか? 最近、日本で急増している、わりと高齢のタレントさんが健康食品なんかを宣伝しているべたなコマーシャルだと、「あ、効くかも」と思えてくることもあると思いますが。
 こちらでも、そういったローカルなタレントが特定の商品を宣伝することはありますが、映画俳優を使ったコマーシャルはほとんど皆無。唯一、大物が登場するジャンルは海外ブランドの化粧品。これだけは、ハリウッド女優がほほえんで登場しています(アメリカのコマーシャルがそのまま流されることが多い)。
 そして、ニュージーランドで、人間の代わりに活躍するのが、動物とか、物(乾電池、ヨーグルト、おむつ・・・)を擬人化したキャラクターです。制作側の様々な工夫と努力が感じられます。
 最近、おもしろいなあと思っているのは、Lotto(宝くじ)のコマーシャル。ちょっと長い(秒数が15秒と30秒に決まっている日本と違って、こちらではながーいものから短い瞬間的なものまで、コマーシャルにもいろいろあり)ですが、ぜひクリックしてみてください。

→http://www.youtube.com/watch?v=fER-WhFUzoA

 アカデミー賞まちがいなしの演技の犬、画像を盛り上げるせつない歌声、そして「ロード・オブ・ザ・リング」も顔負けの作り込まれた画面。途中、大きな鳥の背中に、犬が乗って、空を飛んでいたりします。
 いよいよスカイタワーの見えるオークランドの風景が見えると、もう感動で胸が詰まりそうに。そして最後の落ち。
 感心しますが、これってコマーシャル的にはどうなんでしょう? これを見て、「よし、Lottoを買おう!」という気になるのでしょうか?

 ま、コマーシャル一つとっても、国によっていろいろ違いがある、ということで、こういう違いの一つひとつが積み重なって、文化が構成されているのだろうなあ、と思います。

 
 

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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