ワールドカップ
ニュージーランドは今、国中がワールドカップで盛り上がっています。サッカーではありません。ラグビーです。日本ではほとんど注目されていないようですが、そりゃあもう、建国始まって以来、というぐらいの大イベントなので、国中挙げての大盛り上がり。16日の開会式+NZ対トンガの試合は、テレビの視聴率がほぼ100%だったそうです。すごい。
NZのラグビーというスポーツの存在は、いわゆる国技、と一言でくくってしまうことができないほど、NZの人々に愛され、NZ代表チームのオールブラックスの選手たちは、ファンという次元を超えて、崇拝されています。わずか人口400万人の国で、世界一位というランキングなのは、本当にすごいことだと思います。マオリの戦い前の儀式を取り入れた、ハカという試合前のセレモニーが有名です。
9月9日の開会式は、スポーツ無関心派の私もさすがに家族とテレビで見ていました。新聞報道で、オークランドの町中がこんなふうになる、
と報道されていましたが、「まさかー、そんなことできるわけがないよー」と思っていたのですが、ほんとに、オークランドの街中の空いっぱいに花火が打ち上げられて、びっくり仰天。オークランドって、こんなに美しい街だったのねー、と感動しました。
さらに、競技場での開会式も、マオリ文化を大きく取り上げたストーリー展開で、歌に、ダンスに、各地点の中継と、非常に凝った作りでした。今まで、ワールドカップというものに関心がなくて、見たことがなかったので、オリンピックのように開会式が華々しいものであるとは、ちっとも知りませんでした。
ただ、その後行われた試合は、始まって10分で居眠りしてしまいましたー。当然、オールブラックスが勝ったのですが。
やればできるじゃないか、NZ、と思って、翌朝の新聞を見てみると、なんと、2000人もの人が電車のストップでこの開会式を見ることができなかったそう。その後、電車の責任者であるオークランド市が準決勝のチケットを代わりに渡す、と発表しましたが、それにしても、日本では考えれない大失態。なにしろ、こんなにたくさんの人が電車に乗る、ということがなかったために、大混乱だったらしいです。
でも、まあ、そういうところがNZらしい、とも言えます(これは、大きな事故につながらなかったから言えることですが)。
この土曜日に用事があってCityに出かけたら、ちょうどその夜にフランス対オールブラックス戦があったので、ベレー帽子をかぶったトリコロールのいでたちのフランスサポーターと、上から下まで真っ黒のオールブラックスサポーターで、街は大層な賑わいで、うきうきした感じでした。
今回、アジア唯一の代表国として出場している日本は、今のところ、フランス、オールブラックス、トンガと3連敗。あとは27日のカナダ戦を残すのみ。このラグビーワールドカップは、8年後の2019年には日本で開催されます。日本チームは開催国として出場が確定です。電車が止まる、なんてことは当然ないだろうし、そのために粛々と準備は進んでいるのだろうけれど、この国を挙げてのうきうき感は、まずないでしょう。でも、オールブラックスが負けた時のNZ国民の喪失感を想像すると、ちょっと心配だったりします。
オークランドでは、車に応援チームの旗を付けるのが大流行。ちなみにこれはフィジー。
家まで飾ってしまう。これはトンガ。この家は、通るたびに赤色が増えていっています。
これは幼稚園。NZでは、老若男女がこぞってオールブラックスを応援しています。