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シドニー旅行

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 今日(10月24日)は、NZは日本の勤労感謝の日にあたる祝日です。昨日、夜9:00からラグビーのワールドカップの決勝戦があったため、今日はほとんどのNZの人々が燃えがらとなっているものと思われます。

 試合相手が予選で余裕で勝っていたフランスであったにも関わらず、なんと8−7というあり得ない切迫した点差。勝つことが当然であるという使命を背負うと、さすがのオールブラックスもプレッシャーに負けるのねーと、思って、ラグビー門外漢の私ですら、はらはらして見ていました。万が一、負けるようなことがあったら、街は暴動でも起こりかねない勢いだったと思います。本当に勝って良かった。

 とにかく、NZの人々のラグビーへの思いは深く、強いものがあります(ただし、ラグビーに関心のない中国人、インド人などの移民グループは除く)。先週末に、家族でオーストラリア・シドニーへ旅行に行ったのですが、そこで読んだ新聞に、「今日はオーストラリアとニュージーランドの試合がある。ただし、オーストラリアが負けた時のオーストラリア人の悲しみは、ニュージーランドが負けた時のニュージーランド人の悲しみの10/1であろう」と書いてあって、さもありなん、と思いました。

 今回、初めてNZの隣国、オーストラリアに旅行しました(こちらでは、「across the Tasman」という言い方をよくします)。シドニーまでは、オークランドから3時間弱のフライトですが、時差が2時間あるので、行きは到着してもあまり時間がたっておらず、帰りは夕方出発したのに、真夜中に到着でした。

 旅行は予想以上に楽しかったです。日本からそのまま行っていたら、ふーん、だったかもしれませんが、人口400万人の国の唯一の100万都市に10年住んでから行くと、人口350万のシドニーは、「すっごい、大都会」。非常にエンジョイしました。

 どちらも元英国植民地なので、同じ地名がたくさんあって、どちらも海に面しているので街並みもなんとなく似ていますが、違うなー、と思うところがたくさんありました。

 まず、シドニーはオークランドに比べて、公共交通機関がとても発達しています。我が家は今回、電車・バス・フェリーが1週間乗り放題の「My Multi」というチケットを購入し、重宝しました。

 気候は、似ていると思っていたのですが、シドニーの方が温暖みたいです。暑くてへたりそうになって帰ってきたら、オークランドはまだまだ肌寒かったです。

 さらに、オークランドよりはるかに都会で、洗練されていて、食事の選択肢も非常に多かったです。特にシーフードがおいしかった! オークランドは海に面していながら、スーパーでは新鮮でおいしい魚は買えません(アジア人経営の魚屋に行くと、入手可能ですが、これもタイミングによる)。シドニーのFish Marketでは、あまりの選択肢の多さと賑わいにおろおろしましたが、おいしいカキ、エビなどのシーフードを満喫しました。あと、Sushi Eというレストランで、最高のお寿司を食べることができました。でも、日本のお寿司屋さんの落ちついた雰囲気とはまったく違って、音楽がガンガン鳴っていて、カップルばかりで、家族連れ+アジア人の私たちは完全に浮いていました。でもまあ、これも異国情緒ということで楽しみました。

 また、今回宿泊したホテル(Swissotel)は、シドニーの中でも一番の中心地にあったので、おしゃれな人をいっぱい見かけました。あんなにハイヒールを履いた人をたくさん見たのは、この10年で初めてだったように思います。オークランドでは、日本でいうビーチサンダル(NZ英語ではJandal)でぺしぺし街をかっ歩する人がたくさんいます。

 人種の構成も違いました。まさに人種のるつぼ、という感じのオークランドに比べて、シドニーでは、観光客も含めて、白人80%、アジア人20%(中国人、インド人)という感じでした。特にオークランドに多いパシフィック系をほとんどいませんでした。アボリジニの人も、観光地でパフォーマンスをしている人以外は見かけなかったように思います。

 あと、物価は高いなーという印象でした。給料が高い、という理由でNZからオーストラリアへ移民する人が多いですが(NZ市民権保持者はオーストラリア永住権がある)、これだけ物価が高いと、とんとんじゃないかしら、と思ってしまいました(レートの影響もありますが)。どこのレストランも賑わっていて、ショッピングモールも活気があって、景気がいいなあ、という印象を受けました。

 その一方で、物乞いの人が街角ごとにいたので驚きました。NZも貧富の差は激しいですが、オーストラリアもそうなのかなあ。滞在中にたまたま見たテレビでは、「働けるのに生活保護をもらっている人を減らそう」というテーマを取り上げていました。何年間も病気を理由に生活保護をもらっている人がボーリングをして遊んでいたり、自宅で力仕事をしているのを隠し撮りして、本人達に「どういうことか!?」と詰めよっていました。

 夫が言っていましたが、オークランドで普段はのんびり過ごし、1年に1回ぐらい、こういう都会で刺激を受ける、というのがいいかもしれません。素晴らしいリフレッシュとなりました。旅行っていいですね。

お約束のコアラも、Wildlife Parkで見ました。

宿泊したSwissotel。ファシリティは普通、と思いましたが、立地が非常に便利。あと、バスルームが充実していて、こんな風に自宅のバスルームをリノベーションしたいなあ、と思いました。

ラッキーなことに、たまたまオペラハウスのOpen Dayだったので、衣装室や控え室などまで見学することができました。地元の人もたくさん訪れていました。写真の右側は入場を待つ人たちの行列です。30分ぐらいで入れましたが、ぎらぎらとした日差しですごく暑かったです。

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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