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Careers Expo Evening

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 先週、娘の高校で「Careers Expo Evening」というイベントが開催され、娘と参加してきました。娘は来年、Year11(日本の高一。NZの高校は日本の中二〜高三の5年間に当たる)となり、NCEAという全国共通評価制度の最初の年(レベル1)を受けることになります。このため、大学、さらには卒業後のキャリアまで考えて、科目を選択していく必要があります。

 Year12、13になると、大学の学部に合わせた科目を選択する必要があり、その下準備として、Year11でかなり路線を決めておかなけれなりません。Year11で選択していないと、次の学年で選択できない、という科目が多いからです。

 ニュージーランドは子供の自主性、独立性を重んじる国ですが、やはり進路選びには、親も関わります。このイベントの前の週には、「科目の選択について」のセミナーも開催されました。ニュージーランドという外国に住んで、「知らなかった、ああすれば良かったのか」とならないよう、こういう行事にはなるべく参加するようにしています。

 でも、日本でいえば中三の娘に、「将来を見据えて科目を選択しなさい」と言っても、それはかなり難しいこと。中三のころの私なんて、将来なんて全く考えておらず、高三になっても全く考えずに、本が好きで、数字が嫌い、という安易な理由で文学部を選び、大学の就職活動でも特にしたいことが見つからず、かといってリサーチもせず、とりあえず、就職できればいいや、という感じでした。

 親も、大学、学部選びに関して特に何も言いませんでした。「文学部で就職できるの?」「もっと将来を考えて選びなさい」なんて言ってくれていたらなあ、と思いますが、当時の生意気盛りの私がもし言われたとして、素直に聞いたかなあ、とも思ったり。

 親として、どこまで娘の科目選び(つまり将来の選択)に介入すればいいのか、難しいと思っていたところでのイベントの開催でした。

 当日はまず、Careers New Zealandという国の機関の担当者によるプレゼンテーションでした。この機関は、若者だけでなく、あらゆる年齢の人のためのキャリアに関する情報を提供する機関で、サイト(http://www.careers.govt.nz/)では、希望職種に就くにはどのようなルートを進めばいいのかというアドバイスに加えて、そのルートを提供する教育機関の検索などができるようになっています。

 「Supporting your teen’s career decision-making:Five things every parent needs to know(10代のお子さんのキャリアに関する意思決定をサポートするために:親が知るべき5つの項目)」というこのプレゼンは、要するに、親は子供の話をじっくりと聞き、子供のやりたいことをやらせてあげ、そのために、必要な情報は提供するなどして、サポートしてあげてください、という話でした。特に目新しくはなかったですが(それができれば苦労しないって、という感じ)、「考えても見てください。皆さんが進路を選択する時に、Webサイトのデザイナーになろうとか、Youtube作品の制作者になろうとか、思いましたか? そんなものは存在しなかったはずです。時代は刻々と変わっているので、親の世代の常識は通用しません」というコメントは、なるほどなーと思いました。

 途中、隣の席に座っていた白人のお父さんとちょっと会話をしていて、私が「親御さんから当時、何かアドバイスなんかもらいましたか? 私は全然だったんですけど」と質問したら、「ぜーんぜん。でもね、時代が違うんだと思いますよ」とのことでした。ちなみにこのイベントは夜6:30からだったので、お父さんの出席率が高く、3分の1ぐらいはいたと思います。あと、夫婦で参加しているところも多かったです(我が家は典型的な日本人家庭なので、こういう学校関係のイベントはもっぱら私が担当)。

 20分ほどのプレゼンテーションの後は、卒業生からのお話を聞く時間でした。20人ほどの卒業生がそれぞれ机を割り当てられており、興味のある学部があれば、その人の席に座って質問する、というもの。娘はとりあえず、グラフィック、ビジネス、音楽などの学部の人たちに話を聞いていました。私は、「あれこれ口出しせず、娘の選択に任せよう」と決めていたので、黙って付いていき、横で座っておりました。

 その後、Tertiary Education Providers(高等教育提供機関)がそれぞれブースを出している大ホールに行って、あれこれパンフレットをもらってきました。大学はもちろん(NZでUniversityと名乗ることができるのは、国立の8大学しかありません)、ポリテクと呼ばれる職業訓練校やアート系・美容系などの専門学校なども出展していて、親と子供たちが詰めかけ、ホールはすごい熱気でした。あと、軍隊も来ていて、ちょっとびっくり。

 とりあえず、娘の来年の選択科目はアート、歴史、中国語になったそうです。まだまだ漠然とはしていますが、将来に向けて、娘の第一歩が始まります。

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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