丑三つ時の奇妙な行動
翻訳は椅子に座ってひたすら頭ばかりを使うので、毎日長時間、それも比較的長期間やっていると、どうも精神の構造に影響が出るらしい。
以前、大きな案件を仲良しの翻訳者と一緒に翻訳した時に流行った(?)のは、「ポテトチップの一本食い」である。筒に入っているタイプの、あのポテトチップである。
さすがにこれは、体に悪い。座りっぱなしで血のめぐりも悪くなり、当然、内蔵の働きも弱っているのに、それでもついついやってしまう。それも、「一本食い」が行われるのは、主に深夜の時間帯だ。
当時の彼女とのメールのやり取りを見てみると、深夜になる程、おかしな会話をしている。
以下、恥を忍んで抜粋してみると、
「SGB V 123a」は「社会法典第5編第123a条」に統一しましょう。
「社会法典第5編」は1950年から編纂が始まって、1997年当時では11編まで完成していたそうです。
関連文献及び以下のホームページから抜粋した用語をまとめてみたので、確認してください。
というように、日中はまともな内容で始まるのだが、深夜になると、
今日は米を5キロ買ってきた。味噌もあるし。
これでしばらく篭城できる。
「償還請求権」が「訪韓請求権」になっているよ〜。
そんなに韓国行きたいの〜?
読み返してみると、自分で書いた文章が理解できない。
またまた「一本食い」を敢行。
と、だんだんと怪しくなってくる。
さすがに最近は健康に気を配るようになったので、「ポテトチップの一本食い」は卒業したが、それでもやはり、妙な行動を取る。その時々で「旬の品」は変わるのだが、食べ物で言えば、篭城に向けて甘〜いカフェラテを大量に買い込んでみたり、冷蔵庫に魚肉ソーセージがないと落ち着かない時期もあった。
食べ物だけではなく、思い切りのよい行動、というかほとんど衝動的な行動も、深夜に行われることが多い。家具や調理器具、CD、本などを、インターネットで注文してしまう。昼間だったら、「まあ、なくてもよいかな…」と諦める品物を、夜中だと気が大きくなって、思わず「お買い物かご」へクリックしてしまうのだ。
翻訳は自宅でできるし、なんといっても調べ物がじっくりできるので、通訳よりもストレス度が低いと思っていたが、こうしてみると、通訳とはまた違ったストレスがあるようだ。
最近はこういった行動を回避するためにも、なるべく朝早く起きるように努力しているが、翻訳が続くと、どうしても活動時間帯が夜へ、夜へ、とずれ込んでしまう。
そして、昨日もまた思い切りの良さを発揮して、なんとウィーン往復の航空券をネットで買ってしまった。思考能力の正常な昼間だったら、「仕事が入るかもしれないし…」となかなかバカンスを取る勇気も出ないので、半ば勢いとはいえ、妙なエネルギーでも使いようによってはポジティブな結果になるものだ(と自分に言い聞かせている)。
というわけで、11月末から約1週間、ウィーンへ行ってきます♪