自分への手紙(2)
「フリーランスになって自立して食べていけるのか?」という不安を抱えながら通訳の勉強をしている人は、案外多いのではないだろうか。現在、担当しているクラスでも、こういった相談を受けることがある。私が通訳学校に通っていたときも、将来への不安を抱いている仲間もいて、クラスが終わった後に食事やお茶をすると、いつもこの種の話題でいっぱいだった。どうゆうわけか、私自身、この点についてはあまり深刻に考えなかった。不安がまったくなかった、と言えば嘘になるが、「なんとかなるさ」、「頑張っていればいいことあるさ」、「本当にだめになるまで、とりあえずやってみよう」という前向きかつ楽天的な(ある意味で呑気な?!)気質も、フリーランス通訳者のスキルの一つなのか??今回の手紙は、そんな悩みを抱えながら通訳者を目指しているあなたへ、また自分自身にもう一度喝を入れる気持ちも込めて…
クラスのメンバーから学べることは沢山ありますが、ネガティブな話題は極力避けたいです。食べなければならないというのは、決して低い目標ではないと思います。でも、ドイツ語ができるのに生活ができない、仕事がない、と嘆いている人達は、本当に全力かけて仕事を見つける努力をしたのだろうか?ドイツ語を使って何をしたいんだろう?社会の状況をリサーチしているのかな?と疑問に思ってしまいます。
自分の実力が評価されないのを、社会が悪い、世の中が認めてくれないからだ!という人達は大嫌いです。そのようなことを言う人達は、認めてもらえない原因が自分にあるのが分からないのです。私はそういう人達を見るたびに、「彼らは、私とは関係ないフィールドで生きている人達である」と即、切り離してしまいます。
会社に就職したって、フリーランスでやっていくにしたって、それぞれ厳しさや特有の問題があると思うのです。大事なのは、やっぱり、自分は今何をしたくて、将来はどうゆう自分になりたいか、ということを明確にすることだと思うのです。以前師事していた通訳の師匠もおっしゃっていました。ドイツ語のレベルアップも大事だけれど、それよりも明確な目標設定をして、それにむかって行動を起こすことが一番大切、と。お陰さまで今のところ暇な日はないし、決して常にやりたい仕事ばかりしているわけではないけれど、現段階ではやる仕事すべてが勉強になっているので、将来のための貯金と思い、前向きに考えています。
周囲からの不愉快なノイズに悩まされるのは、多分、私たちの方に集中力不足や実力不足など、何らかの原因があるのでしょうね。克服する課題と思って、これから精進しようと思います。自分で自分を救わなければ、誰も救ってくれないし、誰も救うことは出来ない、というのはまったく同感です。だからこそ、頑張ろう!上を目指して、こんな私でもできるんだよ!という姿を見せることが、すなわち、周りにも良い影響を与えることにつながると、常々思っています。「摩擦があるからこそ熱が生まれる、空気の抵抗があるからこそ、鳥は大空を飛べるんだ!」と良い方に解釈して、私たちはポジティブに頑張りましょう!