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あゝ愛すべきアーティスト達!

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通訳・翻訳者リレーブログ

時々、“はい〜っ??”と絶句してしまうような質問を受けます。今週はそれについて触れたいと思います。

私の愛するハードロックやヘヴィ・メタルという“うるさ型音楽”を演っている人達に対し、妙なイメージをもっている方が多いんですよね。で、とにかくよく聞かれるのが、これ:

“襲われたりして大変だったこと、これまでなかった?”

とほほほほぉぉぉ〜〜!!
とにかく、命の危険を感じたことは、1度もありませぬ。ははは。当たり前ですって。ステージ上ではワイルドで暴れん坊な(…イメージの)人ほど、オフでは穏やかで紳士的なことの方が多いくらい。

まぁ、大変なことは時々ありますが。例えば……。

インタビュー開始直前、目の前で、一緒に来日していた当時の恋人と大喧嘩。で、結局、恋人は凄い勢いで部屋から出て行くわ(だいたい、何で取材部屋に居たのさ?)、こちらが“あの〜ぉ、そろそろインタビュー始めても良いですか?”と懇願しているにも拘らず、御本人ったらば、口を尖らせ、俯いたまま、御持参のミニカーを弄り続けるわ…で…ねぇ、某有名ギタリストさん。とても純で憎めない人でしたが。あれは初来日の頃で、まだまだ若かった…ですし…ね。

取材会場に現われない“常習者”というのも、時々ですが、います。宿泊ホテルでの取材にも拘わらず、レコード会社側は“う〜、今日も現われないんですよ。いや〜、たぶん部屋にいるとは思うんですが、何度ノックしても電話しても、反応がなくて、は〜”…と、溜息ばかり。この御方とはその後も、何度か取材のアポイントは取れたのですが、でもドタキャンばかりで、結局まだ1度も御対面できず。

“なにしでかすか分からないので”という理由で、夜の原宿〜新宿〜六本木方面を、髪振り乱し、タクシーで“追跡”し続けたレコード会社ディレクター+通訳仲間もいましたっけ。いやはや、御苦労様です。

インタビュー会場に入ろうとしたら、入り口で待っていた担当ディレクターに呼び止められ、“あの…実は…今日…と〜っても調子悪そうなんですよぉぉぉ…”と涙目で言われ、“ありゃっ”と思いながら御対面したら、案の定、目の焦点は合っていないわ、身体はフラフラしているわ、手は震えているわ…で、こちらが声を掛けても、“ふー”とか“はー”とか、言葉なのか溜息なのか、とにかく発するのは“音”ばかり。でもこのインタビュー、双方のスケジュールの関係で、朝一番の新幹線に乗り、関西入りし、取材し、その日の内に東京へ戻り、原稿を仕上げるというゲリラ作戦だったので、こちらとしても諦めがつかず、で、“あのですね、私も早起きして、遠路遥々東京から来て、今日中に戻って、原稿入れなきゃならないんですよ!”とやったのですが、なしのつぶて。で、あまりに腹が立ったので、どさくさに紛れて、“じゃあ、いいです。もう帰ります!”とドカッと席を立ち、部屋を出て行こう…と…した…ところ(=その瞬間、本気で帰りたくなった)、“お…お〜い、待ってくれ〜ぃ。分かった、分かった。悪かった。うん、やろう”と、引き止められまして……。相変わらず身体はフラフラ、呂律も回っていませんでしたが、でも一生懸命答えようとしてくれました。そうしてインタビューは無事終了、原稿も〆切に間に合い、ほっ! これ、ハードロック界の大御所で、今ではとてもポピュラーになってしまった御方ですが。とても繊細な方で、私は密かに好きなのですが。いやはや。

“朝から頭痛がひどくて”…と、頭痛薬の瓶を抱えながらインタビューに応じてくれた、カナダの男性シンガー。“きみもいる?”…と気を遣ってくれて(ン?)、どーもありがとう!(く…苦笑)

食あたりで、5分おきにトイレへ駆け込んでいた、大好きな某ギタリスト。とても辛そうだった…のです…が、その間、“食通”で知られるヴォーカリスト相手に、ずっと、マグロだウニだトロだナンだ……と、“今が旬なのは〜”話ばかりで、その方面にまるで詳しくない私は、日本人やり直したくなりましたわ、あの瞬間。とほほ。

挨拶を交わした途端、“どこかで会ったことある気がする。いや、前世でだったかな?”…とのたまうヤツや、にこにこウインクし続けるヤツもいましたっけ。どちらも、“それはさて置き、まずはインタビューやろうね”と言うと、“うん、そうだね”と、素直にお仕事してくれましたが…。あぁ憎めない連中。いやはや。

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高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。

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