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い・き・ぬ・き

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通訳・翻訳者リレーブログ

とにかく忙しい! 夏場は特にひどい。アルバム・リリースが多い上、夏の野外フェスティヴァルで来日ラッシュ。この蒸し暑さの中、あぁ〜もう辛いっす!
って、まぁ、“フリーランサー、仕事なきゃタダのプー”…ですし、個人的に大好きなアーティスト続きなので、幸せこの上ないのですが。でも、あぁ、とにかく忙しい! この間も、這ってでも行きたかった友達のライヴに、結局行けず仕舞い。こうしてあたしゃ、友達を失っていくんだわぁ。あぁ哀しきフリーランス人生…。愚痴。
あっ、でも、息抜きはちゃんとしていますよ。会社勤めでない分、好きな時に好きなことを、自分のペースで出来ますもん。これ、不安定な生活を送るフリーランサー唯一(ン?)の特権、素敵な面。これがあるから止められない、今更9時5時生活に戻ろうなどとは思わないんだなぁ。

で、何が書きたかったんでしたっけ…。そうそう、息抜き! 私の場合、何をしているかと言うと、マウンテンバイクで近所を徘徊するとか、駅前のシネコンに“愛輪”を停めて、映画鑑賞とか。それから近くのホームセンターへ行って、フラフラ目的もなく、品物を物色しながらニタついたり(ああいう所で売られている物って、見ていて飽きないですねぇ)、喫茶店でコーヒー飲みながら、ボーッと人間ウォッチングしたり…。
あとはもう、ひたすら家に篭って、ひたすら本を読むこと!

とにかく活字中毒なのです。ないと生きてゆけませぬ。でも、ダメなものもあります。まずはベストセラーになり易い、やれ“品格”だ“生き方”だ“健康法”だ説くあれ等。理屈っぽい突き詰め系。それから、ベタベタ恋愛お悩みもの。もう勘弁して。苛々する。男と女のワンパターン化。生理的に受け付けません。あっ、これ、あくまでも私個人の意見ね。そういう種のものを否定・非難しているのではないので。あしからず。
で、逆に、無性に好きなのが村上春樹。現実と空想が交差する、独特の世界。あれって何なのだろう。理屈抜きに惹かれます。文体も、上等の英米文学を、素敵な日本語で読んでいる感覚。ガチガチの翻訳ものではなく…ね。うーん、説明し辛いのですが…。とにかく、しかめっ面で読まなきゃならない作品が苦手な私には、うーんとドツボ。『遠い太鼓』『やがて哀しき外国語』『辺境、近境』などの旅行記も、とてもとても魅力的。
それから植村直己や森田勝もの。そう、いつも不思議に思うのは、登山家・冒険家の文章力。何故こうも、唸るようなものが書けるのでしょう。てらいのない文章で、思いを真っすぐぶつけてくるからでしょうか。
沢木耕太郎の『凍』も、非常に読み応えがありましたね。クライマー・山野井夫妻の物語ですが、読みながら、何度心臓が止まりかけたことか。あっ、沢木氏と言えば、あの『深夜特急』シリーズ。20代の頃、ハマりまくりましたね。久々、また読んでみようかな。そうそう、大沢たかお主演のTVドラマも、なかなか良かったです。
それから写真家・エッセイストの星野道夫。写真集も素晴らしいですが、エッセイ集も宝石みたいなものばかり。自然の厳しさを、身を持って知る者でなければ感じられない・書けないような文章。見えないもの、見えない世界、科学では解明できないものの存在を認めていた、とてもスピリチュアルな人。大好きなタイプ。ご健在でしたら、今頃は地球環境問題について、色々なことを世に伝え、なくてはならない存在になっていたろうにな…と、残念でなりません。
五木寛之も好き。最近では『他力』『林住期』『大河の一滴』など、人生や仏教について綴った作品が多く、これはこれで素敵なのですが、でも昔の小説も素晴らしいですよ。例えば『風の王国』。
司馬遼太郎も良いですね。でも『龍馬がゆく』は、龍馬が死ぬ瞬間に立ち会うのが嫌で、最終巻は未読のまま、家に飾ってあります。が、『功名が辻』はダメでしたね。龍馬とは異なり、この“一豊さま”にも、彼を支えた千代にも、まるで感情移入できませんでしたもん(笑)。
最近読んだもので心に強く残っているのは、見城徹の『編集者という病い』。あの幻冬舎を立ち上げた人の話。とにかく“凄まじい!”のひと言に尽きます。最敬礼! それからシンシア・レノンの『JOHN』。元妻が綴った、これまで語られることのなかった、“もう一方の側”からの話。特にファンでもない私ですが、とても衝撃的な内容でした。
そうして、そうして、最後に、私が最も愛してやまない、東野圭吾さま! 私の中では、日本一のストーリー・テラー。魔術師。新刊が出るたび、朝イチで本屋へ飛んで行き、ネットではなく直接購入する、数少ない小説家。そうして1日2日、手帳にしっかり、“読書・東野”と記入し、仕事を全てストップさせ、電話を留守電モードに切り替え、作品に没頭。う〜ん、至福の時。とにかく、あの切なさがたまらない。日本人だよなぁ〜。つくづく。『百夜行』などは、読後しばらくフラフラして、まともな日常生活が送れなかったほど。ほんと。仕事が詰まっていて、読書の暇がない時には、彼の新刊を目の前に置きながら、仕事をサクサクこなす私でR。あれって、人参を前にした馬…ですね。って、私、馬になったことはないのですが。でも、そう、“おい、頑張れ! ゴール前で東野圭吾さまが待ってるぞ!”…って。あはは。最新作『夜明けの街で』も、1ヶ月くらい机の上で、人参してましたもん。お陰で、仕事、捗ったよなぁ〜。
彼が作品を生み続けてくれる限り、私も頑張って仕事できそうです! あ〜テレるぜ。

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高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。

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