世界陸上2007
世界陸上大阪大会、終わりましたねぇ…。この9日間、これを最大の楽しみに生きていた私は、いま燃え尽き症候群状態、脱力感で一杯。あぁ、これで私の夏は終わったなぁ…。
“勉強はそう得意ではなく、授業中は静かなのに、体育の時間になると、いきなり元気になる生徒”…というのは、クラスに必ずひとりはいるものですが、何を隠そう、私もそんな生徒でした。
高校までずっと体育委員、そうしてずっと陸上部。体育の授業で、短距離・幅跳び・高飛び・マット運動・鉄棒などをやる時には、いつも、“さぁぺこたん、見本を見せてください”…と、みんなの前で、走ったり飛んだり回転したりしていた私。幅跳びでは、中学の時に学校新記録を出し(…と言っても、翌年あっさり塗り替えられてしまったが)、運動会では、毎年4X100Mリレー選手。そう、体育の授業と運動会の為だけに、日々学校へ通っていた…と言っても過言ではないような御子様でした。
今でも、運動会の定番BGMを聞くと、思わず駆け出したくなります。あっ、引退した競走馬も、ファンファーレが流れると、興奮しながら、スタートの体勢に入ってしまう…と、何かで読んだことがありますが、この私も、まさにそれ。それから、突然誰かに細長いもの、例えオリーブオイルの瓶とか、オタマを手渡されると、そのままそれを握り締めながら、何処かへ疾走しちゃいたくなります。いや、正確に言えば、こうしてこの文章を書きながらも、興奮のあまり、心臓がバクバクしてきたくらい。なんてこった。駅構内の階段の上り下りだけでも、ゼーゼー・ヒーヒー言っている私なのに。現実って酷よねぇ…。
なので、あぁ、ちょっと真面目に身体動かさなきゃなぁ…と、年柄年中思ってはいる…のですが、でも実行に移せず…で。
フリーになってからは、近所のスポーツ・ジムに通い、筋トレと自転車漕ぎをしていたのですが、でもまともにやっていたのは、最初の7年くらい。おまけに最後の2年は、通っていたと言っても、月に1度か2度。そんなことを繰り返している内に、お金を無駄にしていることに気づき、で、数年前にすっぱり脱会してしまいました。いえいえ、別にジムへ行く時間すらない…ということではないのですが、でも、余裕のある時でも、どうしても足がそっちへは向かず…で。室内でシコシコやっている自分が、何だか嫌になってしまった…というのもあるなぁ。“大空の元、きれいな空気を吸いながら、何かをやっていた方が良い”…と。
なので、代わりに…と、その後は暇を見つけては、マウンテンバイクに跨り、あちこち流している…のですが、でも東京の場合は、自転車の為の環境、つまり専用レーンがなかなか整備されていないので、“快感”とまではいきませんねぇ。歩行者や車に接触しそうになったり、段や穴ぼこに突っ込み、引っくり返りそうになったり…と、危険を感じた瞬間もありますし。
かつて住んでいたカナダの田舎町には、歩行者用レーン、ランニング用レーン、自転車用レーンとあるんですよ。あっ、区域によっては、インライン・スケート用レーンだってあるくらい。おまけに大自然のド真ん中。いいよなぁ、あの恵まれた環境。
で、そう、世界陸上。
トップアスリートの鍛え抜かれた肉体、技術、集中力。一流は、ウットリするほどに美しい。
そう、集中力! スタート直前の彼等、画面からひしひしと伝わってきますよね。そうそう、余談ですが、こちらの仕事も、同じことが言えます。すべては、いかに集中できるか否かに掛かっていますもん。つまりインタビュー時、インタビュイーとふたりだけの世界を、上手い具合に築き上げられれば、すべては上手くいきます。原稿書き時も同じ。その世界にスーッと入り込める瞬間があるのですが、そうするともう、こっちのもの。思いどおりの文章が、一気に書き上げられます。集中できるか否か。その次元へ飛んでいけるか否か。クオリティの高い仕事は、すべてこれに掛かっていますね。周囲のものが見えていたり、音が聞こえていたりする間は、まだまだ駄目。
で、そう、トップアスリート。つくづく思うのは、彼等もまた“アーティスト”だと言うこと。例えば、棒高跳びのイシンバエワ選手。翼の生えた妖精。何とも美しいあの飛び方。あれはまさに“アート”ですね。
“アート”と言えば、外国の女子選手って、化粧や髪型やネイルなど、見た目にも気を遣っていて、とても美しいですね。日本の女子選手も、そういうことを楽しむ余裕があっても良いのに…。いつも思うのですが。余談。
それにしても、今回の日本選手は何だかなぁ…。“実力を発揮できなかった”と言う表現をよく耳にしましたが、でも、“発揮できないのも実力の内”…なのだと思います。男子4X100Mリレーだけは、観ていて鳥肌が立ちましたが…。
いやはや、取り留めのない話でした、はい。
では2年後、ベルリンで会いましょ!