素晴らしいぞ、ニッポン!
先週の“パソコンが故障したゾ”話の続きです。
あの翌朝、予定通りに修理部の方が、仕事場へ来てくださいました。“10時から13時の間に”というお話でしたが、10時ちょっと前に、“これからお伺いします”との丁寧なお電話を頂き、その数分後には、ドアホンの音が…。もうなんて予定通りなのでしょう!
素晴らしいぞ、我がニッポン!
私が中学〜高校時代に暮らしていた、南米の“とある国”では、“明日お伺いします”=“来週の明日行ってもいいヨ〜”程度の意味でしたからね。いや、その“来週の明日”来たら、それ自体“奇跡”と喜ばなきゃならなかったほど。“現れない”ことの方が、多かったですから。アッハッハ。
そうそう、日本から持っていったステレオが故障し、修理に出した時には、結局“どうにも直りませんでしたね”と、“故障したままのステレオ”が手元に戻ってきた…のですが、持ち上げてみたところ、どうも様子がおかしい。そう、以前よりも“軽くなった”感じがして。それで解体してみたところ、中の部品がごっそり取られていて、“空洞”が出来ていたんですよ! お…お見事! これぞ、開いた口が塞がらなかった瞬間。テレビでしたら、視聴率が一気に上昇する場面ですな。アッハッハ。とにかく、修理に出して、中身を盗まれてしまったってわけですよ。そーなんです、部品はドロボウ市に“出品”できますから。それも日本製でしたら、高額で売れますもん。アッハッハ。
ドロボウ市と言えば、そうだっ、ゴルフ中に、駐車場に停めておいた愛車のホイール・カヴァーが、盗まれたことがありましたっけ。で、後日、新しいのを取り付けに工場へ行ったのですが、取り付け作業中に、今度は、無事だった別のホイール・カヴァーを盗まれまして…。はい、取り付けている最中に…です! アッハッハ。
これすべて、80年代に、南米の“とある国”で起こった、正真正銘の実話でございます。
で、そうそう、パソコンの話に戻りますが…。10時ちょうどに来てくださった、まるで神様のようなその御方は、案内されるままに、紙資料・サンプル盤・茶封筒などなど散乱する悲惨な仕事部屋にも、顔色ひとつ変えず、まっすぐパソコンの前へ行き、黙々とミッション開始。“うーん、これはどうしたことでしょう”“うーん、本当に怪奇現象ですね”などと呟きながら、『ピーナッツ』のシュローダーよろしく、背中を丸め、黙々とキーを打ち続けていました。
そうして約40分後、突然、“あっ、直りましたね。はい、正常に動いています。でも何だったのでしょう。原因はこの私にも分かりません。社へ戻り、真相究明に当たります”…と淡々と語りながら、再び紙資料・サンプル盤・茶封筒などなどの山々を掻き分け、速やかに帰って行かれました。
あぁ、なんて神々しい御方だったのでしょう。まるで荒行を積む僧のよう。何日も、どうにもこうにもならず、苛々させられっ放しだったコイツを、一瞬の内に直してくださるなんて! それも、何も請求せず、何も取らずに…ですよ! 南米の“とある国”でしたら、その場で“under the table金”を包まないと、帰ってくれなかったでしょう。保証期間? そんなモノ、“とある国”では、あってないようなものよ。
だいたい、電話1本でパソコン1台を注文でき、それも中3日でちゃんと届くことからして、南米暮らしをしていた私にとっては、アンビビバボ〜です。
素晴らしいぞ、ニッポン!
そうそう、神々しいこの御方の、迅速な御対応のお陰で、予定していた、今井美樹さん主演&ケミストリー熱唱映画『象の背中』も、午後の上映に間に合いました。それにしても、日本の映画も、例えば“13時10分始まり”と言ったら、本当に13時10分ぴったりに始まるのですから、ニッポンって国は、本当に凄いですよね。おまけに、上映前には、ご丁寧な“御挨拶”つき。
例の南米の“とある国”は、上映時間なんて、あってないようなもの…でしたから。その代わり(?)、当時400円くらいと、安価でしたが。
あっ、それで思い出しましたが、テレビ番組も、例えば音楽番組の司会者がノッてくると、“今日は気分いいぞ〜!”と言いながら、予定していなかった曲までオンエアしてしまう始末。はい、ですから、終了時間も10-15分と、平気で延びましたっけね。番組欄? そんなモノ当てにしている人など、いませんでしたよ。
でも、でも、あの“デタラメ感”が、ひどく懐かしかったりもするんですよねぇ、今になってみれば、なぜか…。
…って、おいおい、“素晴らしいぞ、ニッポン!”…って言いながら、締めは南米話か、今週は!!