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何の為に大学へ行くの?

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通訳・翻訳者リレーブログ

先週末、自宅近くの某国立大学の前を通ったら、ひどく混雑していて、“何だろう?”と思ったら、あぁそうだっ、共通一次…もとい…センター試験だったのですよね。

思えば私も、20数年前、3年間住んでいた南米を後にし、日本の高校3年に編入学し、大学入学に備えたものです。実は、それまで通っていた南米アメリカン・スクールで受けたSAT(Scholastic Assessment Test=大学進学適性試験)の結果により、“引き受けてくれる”アメリカの大学も何校かあり、そこへ進学する…って手もあったのですが、でも“もういい加減、日本に腰を降ろして、日本で勉強したい!”と言う思いが強く、迷わず本帰国したのです。

そうして受験勉強。で、いよいよ受験校を絞り、願書提出って段階で、びっくり驚きモモの木! って、だってみんな、“偏差値”や“イメージ”だけで、大学を決めているのですから! 学部学科はまるで関係なく、例えば、弁護士になりたいわけでもないのに、“自分の実力・偏差値で、OO大学法学部に決めた”と言ってのけたり、凄い人などは、“とにかくOO大学に行きたい”と、同じ大学の異なる学科を、5つほど受けたり…。
な…な〜んて勿体ないことを! それって、時間とお金の無駄だろうがぁ〜!!

私は別に、米国の教育や学生が御立派だとは、まるで思っちゃいませんが、でも少なくともアメリカン・スクール時代の仲間は、みんな当時から、将来のヴィジョンがはっきりしていて、それに向かい一歩一歩、確実に前進していました。例えば栄養士志望の友人は、その方面に強いアメリカのOO州立大学を目指していましたし、数学の研究者になりたい友人は、著名な数学博士を輩出している、XX大学を目指していましたし、秘書志望は、高校でタイプや速記やファイリングの授業を受けながら、秘書の専門学校1本に絞っていました。

で、日本の話に戻りますが…。そんなわけですから、大学入学後も、ガッカリの連続です。
だって、そうでしょ? みんな、別にその学科で学びたいことがあるわけではなく、合格自体が、最終目標だったわけですから。ですから入った途端、燃え尽き抜け殻状態の人や、糸の切れた凧状態の人の多かったこと!
男子は“クラゲ”みたいなのばかりだし、女子は夜のアルバイトに精出し“パパ”捉まえ、飲み会に明け暮れたり…。
そう、“場所とイメージで選んだ”という学生の多い、都会のド真ん中の、華やかなイメージのある大学の、その中でも特に華やかな英米文学科。おまけに、当時はバブル全盛期。ですから女子は、シャネルの口紅&ルイ・ヴィトンのバッグが定番。あるいはお揃いのスタジャン。そう、みんなでやれば怖くない…ではなく、みんなと同じでなきゃイヤ…の世界。
で、クラブはテニスかスキー、でも活動の中心は合コン。そうしてそのお相手は、某有名大学医学部だったり、“OO大学かXX大学でなきゃ、相手にしない!”…と断言してみたり。そうして下校時には、正門前に、豪華なイタリア車が、ずらりお迎え。やれやれ。

そんな彼等の、4年後の会社選びも、とびきり華やかでしたねぇ。みんな“イメージが良いから”とか“本社が丸の内にあるから”とか、“海外赴任するオトコ捕まえて、自分も海外暮らしした〜い!”とか、まぁ、そういう理由で、会社選びしていましたもん。職種なんて別に関係ないわけです。
で、しつこいようですが、なんせバブリーな時代。ですから、商社に銀行に航空会社に…と、みんな次から次へと、面白いように、“凄〜い!”会社から内定を貰い、“どれにしよっかなぁ〜?”と、悩んでいましたねぇ。ったく! 遊んでばかりいたのにさっ! でもこれはこれで、考えに“ブレ”がないわけですから、何だかとてつもなく凄いことだなぁ…と、妙に感心したりもしましたっけ。

で、一方のこのへそ曲がりは、20歳の頃からアルバイトしていた世界に、そのまま就職。そうして非常に個性的で、魅力的で、尊敬できる、愛すべき人達と出会うわけです。はい、ですからもう、断然張り切りましたよ。“自分の居場所をやっと見つけたゾ!”…って。
でもね、彼等の“最終学歴”なんて、考えてみたら、よくは知らないんですよね。そんなこと、話題にも上りませんから。そうよ、人間の魅力って、そういうことでは測れないって! ねっ、そういうモンよ!

でも、そう、大学生活が楽しく充実したものだったら、“退屈だ。何か面白いことないかな”と、ある日突然、キャンパス内の公衆電話に吸い寄せられ、いきなり音楽雑誌編集部に電話することはなかったろうし、そうしたら今の私も、素敵な人達との出会いもなかったろうし…。って、そう思うと、もうゾッとします。
ってことは、もしかして、あの悶々とした4年間にも、ちゃんと意味があった…ってことか? アッハッハ。人生の不思議。話が少々逸れてしまいましたが…。

そうそう、因みに、先に記したアメリカン・スクール時代の友人達、みんな当時目指していた学校に入り、志していた職業に就き、そうして今でも現役で頑張っています。あっぱれ!

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高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。

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