東北の夏の夜を彩る二大祭
先日、東北方面へ行って参りました。
今回の目的は、青森ねぶた&秋田竿灯。ここ数年、毎年のように訪れている、大好きな夏祭です。
朝5時半起床。そうして最寄りJR駅から7時30分発のバスに乗り、いざ東北道へ。
途中、昼食&何度かのトイレ休憩(&アイスクリーム・タイム!)を挟んだ後、夕方5時頃に青森市入り。
青森ねぶた祭りは、木の枠組みに紙絵を張った、色とりどりの武者人形。約22台のねぶたと、浴衣に花がさ姿で、鈴をつけた踊り手(跳人・ハネト)が、“ラッセーラ、ラッセーラ”と跳んで回って踊る、華やかな夏の祭典です。
さて、まずは毎年陣取っている、お気に入りの“四つ角”へ直行し、持参の折り畳み式椅子で場所を確保。それから屋台で焼きそば&焼き鳥&アメリカン・ドッグ&クレープ&お茶で、早めの夕食。
そうしてワクワクしながら待っていると、7時ちょうどに、花火の華やかな音が鳴り、祭の開始です!
ここで豆知識:
祭の起源ですが、享保年間の頃に、灯篭を持ち歩きながら踊った記録が残っているそうです。これが明治時代に人形をかたどった灯篭が主流となり、戦後に大型化し、現在の形に至っているのだとか。
農作業の妨げとなる“眠気”を送り出す習俗“眠り流し”の、“眠り”“眠たい”の方言“ねぶたい”が、後に“ねぶた”になったのだと言われています。
制作日数は約3か月。約300人の“ねぶた師”が、前年の祭の翌日から、翌年の構想を練り始め、年末頃にはそれが具体化されるのだそうです。
高さは台車を含め、約4トン、幅9、奥行7、高さ5メートル迄の制限あり。新聞紙片面大の和紙約2500枚使用、総費用約2000万円。例年約300万人が観戦。6日間の祭終了後、ねぶたの殆どは解体されるのだそうです。もったいない!
9時頃まで、その迫力&鮮やかなる色彩を堪能した後に、再びバスに乗り、宿泊先の安比高原を目指します。
暗い山道を登りつつ、目的地に到着したのは、ちょうど日付が変わる頃。
本日の走行距離、約900キロなり!
ホテル・チェックイン後、おにぎり&お茶の夜食をとり、シャワーを浴びた後、2時に就寝。
↑ ねぶた。今年は大雨の為に、ビニール・カヴァー付き。
翌日は、朝7時起床。ホテルで朝食をとった後、近くを散策。
前森山の麓のこの安比高原、近くには岩手山がそびえ立ち、テニスコート、放牧場、小動物小屋、バーベキュー広場、花壇、アスレチック・フィールドなどがあり、1日ボーッと出来たら素敵だろうな…と思うような、自然に恵まれた、とても美しくゆったりした空間です。
↑ 緑に覆われた、緩やかな丘が魅力の安比高原。
冬にはスキー客で賑わう地ですが、この時期の宿泊客は、殆どが東北夏祭観戦客(笑)。
その後、ホテルを11時頃にチェックアウト。
まずは、田沢湖へ向かいます。そうしてしばし湖畔を散策した後、稲庭うどんの昼食(&アイスクリーム・タイム!)。
その後、みちのくの小都市“角館”へ。
城下町風情溢れる武家屋敷を見学。此処には夏祭見学の度に訪れているのですが、次回は雪降り積もる頃に、また足を運びたい場所です。
そうして夕方5時過ぎに、秋田市入り。
秋田竿灯は、五穀豊穣を祈る夏祭。今年は過去最大の約255本もの竿灯の共演です。
さて昨日同様、折り畳み式椅子で、竿燈大通り沿いに場所を確保した後、屋台のフライド・チキン&ポテト&おにぎり&お茶で夕食。
6時半頃から交通規制、7時に竿灯の入場、それぞれが定位置につきます。そうして合図と共に、竿灯が一斉に立つのですが、この瞬間がもうたまらない!
“稲穂”が夜空に揺らめく、とても幻想的な絵と、差し手が平手・額・肩・腰でバランスを取りながら、竿を支える妙技は圧巻。支え切れずに、観客側に倒れてくる瞬間もまた、この祭ならでは大迫力。観ている側との距離感は、何度体験しても、本当に掘り肌が立つほどに興奮します。
ここで再び豆知識です:
祭の起源ですが、藩政以前に、笹竹などに願い事を書いた単冊を飾り、町中を歩き、最後には川に流す、“ねぶり流し”が原型なのだそうです。
それが宝暦年間に、長い竿を十文字にしたものに灯火をつけ、太鼓を打ちながら歩く現在の形へと変わっていったのだと言います。
竿は、大若・中若・小若・幼若とあり、最大で長さ12メートル、重さ50キロ、灯の大きさ64X45センチ、数46個。例年約130万人が観戦。竿燈大通りをいく、4日間の祭典です。
↑ とても幻想的な竿灯。
雨粒が大きくなった為に、祭は予定よりも早く、8時半頃には終了。
1時間後に再びバスに乗り、何度かのトイレ休憩(&アイスクリーム・タイム!)&仮眠を取ります。
そうして空色が徐々に変わりゆくそのさまを、飽きることなく眺めつつ、明け方5時半に最寄り駅へ到着。朝焼け空の中、無事帰宅です。
↑ 今回の土産。ねぶたの鈴&竿灯の鈴&角館の草履!