しばらく休んでいました
先週もお伝えしたとおり、しばらく怒涛の日々を送っていました。
電話インタビュー夜中に1本、明け方に1本、2-3時間寝て、7時半頃に起きて、家のことをやって、で午前中に1本、そうして昼過ぎに1本。その間に起こし&原稿書き&インタビュー下調べ&質問事項作成、そうして歌詞対訳&バイオ翻訳。〆切に次ぐ〆切。
土日祭日昼夜関係なく、レコード会社ディレクターや雑誌編集部員からは、あれこれ連絡が入ります。そうしてこちらが真夜中に入稿すると、その数分後に彼等から、“受け取ったよ、ありがとう”メールが届きます。
また同業者仲間に、“今日のインタビュー、ドタキャンだよ”愚痴メールを出すと、真夜中や明け方にも拘らず、“ありゃりゃ。で、こっちもさぁ…”などと、5分後には返事が! いやはや、とんでもない業界。みんな忙しいのでR。
そんな日々が続くと、寝ている時、ワケ分からない夢ばかり見ます。
エレベーターに乗っていて、降りたい階で止まらずドアが開かず、慌てている夢…とか、荒波を行く小船に乗り、目的の陸がすぐそこに見えているのに、なかなかそこに辿り着けず、苛々している夢…とか、明日学期末試験なのに、まるで勉強できていなくて焦っている夢…とか、深い山中でバス停を発見したものの、時刻表を確認したら、その日はもう最終便が出た後で、途方に暮れている自分…とか……(苦笑)。
まぁ、そういう夢を観ることで、密かに色々と発散しているのだと、仲間には言われますが…。
でも、いかんせんこれはいかん……と思い、仕事が一段落した先週末、その後に入った取材&原稿依頼を何本かお断りし、固定電話は留守電に(緊急連絡はみんな携帯にくれるし)、パソコンも開けず(メールはすべて携帯へ転送されるので、業務連絡には支障なし)。
そうして5日間ほど、ひたすらボーッとしながら、仕事から離れていました。
ゆっくり泡風呂に入ったり、好きな紅茶&甘い物を楽しんだり、絨毯の上に引っ繰り返り、雲の流れを追ったり……。
それから、部屋にある“本の山”の解体。そうして、頭と心に負担にならないような小説を、ひたすら読み耽ていました。
まずは『ディングルの入江』(藤原新也)。アイルランドが舞台の、詩的で映像的で、とても美しい作品。“ミナレットから響き渡るアザーンを聴く”…という場面が登場しますが、あれ、エジプトの地方都市を旅していた時、私もウットリ聴き惚れていた響き。
『氷の華』(天野節子)。のっぺり感は否めませんが、でも還暦間近の処女作。それだけでも唸りたくなります。見習いたい。
『四つの嘘』(大石静)。1年間だけ在籍していた、女子高校を思い出します。一致団結して体育祭などに取り組むのが最高に美しいと信じて疑わない、純粋培養なお嬢様達。ボーッと読むのに良いと選んだ本ですが、想像よりも読み応えがありました。
そうして現在、『償い』(矢口敦子)を読んでいます。
それから、テレビもゆっくり観ましたし、録りだめしてあった番組も、片っ端からチェックしました。
相変わらず女子アナ達がキャンキャンはしゃぎ、芸人達がドタバタやっていましたが…。
でも、COLDPLAY&SMAPの共演。あれは色々な意味で、とても興味深かったなぁ。その後、COLDPLAYのアルバム・バックオーダーが、大幅アップしたとのこと。嬉しい限りです(おっと、仕事絡みだ〜)。
世界遺産番組では、我がアルバータ州の恐竜の町を大特集。昔々よく“発掘”しに出かけた、懐かしい地。今では骨持ち出し禁止らしいですが…。私の恐竜好きの原点。
アメリカ大統領選特集。共和党副大統領候補、あぁいうタイプ、票を集めるんだろうなぁ…。嗚呼。
〆切を気にせずに、外出もしました。
まずは、ずっと参加できないでいた、友達との会食。
新宿高層ビル上階レストラン街、とても素敵でした。
それから久々のデパート巡り。気になる秋冬ものチェック。
ごっついブーツ(これは今年に限らずですが)、チェック柄、甘くないフリルつきブラウス、テーラード・ジャケット、ベスト、ネクタイ、ベルボトム、フリンジにスタッズに羽根。ずばり、“ボヘ・ロック”。文字どおり、“ボヘミアン・ロック・テイスト”もの。
それから地下食品階。いま話題のスイーツ視察。
帰りには家電屋。お決まりのコース。
いま気になっているのは、最新ICレコーダー、iTOUCH、小型パソコン。
それから先週お伝えしたとおり、デジタル一眼レフカメラ。もう2機にまで絞り込み済み。こうして家電屋に通い、触り、研究し、迷うことの面白いこと!
最後に喫茶店で、コーヒー&ケーキ&読書&人間ウォッチング。
それにしても……。
仕事=趣味=仕事。人生で最も好きだったことを、仕事にしてしまったわけで。ですからオフもオンも、あってないようなもの。原稿書きの合間に、iPODで音楽を聴いていたり…。
まぁ、好きな人に会い、好きなことをやっているのですから、まるで苦にはなりません。それ自体、やっていてこころ落ち着きます。それに、“フリーランサー、仕事なきゃタダのプー”。ですから忙しいのは幸せなこと。とてもありがたく思っています。
でも、気が付くと、それに夢中になっていて、そればかりになってしまっていて。そうしてあんな夢を観ているのでは、何だか……。
オフとオン。そのバランスの取り方。切り替え方。これ、一生の課題なのでしょうね。
いや、そんなこと、敢えて意識する必要もないのかも知れません。
でも、どうなのでしょう。少なくとも、取り立て屋(…原稿のね)に追われる日々からは、時々、自分を解放しなければならない気はします……。
……と、あれこれ考えつつ、数日のんびりしている内に、ヘンな夢も観なくなりました。
そうして、仕事が無性に恋しくなってきました。
と言うわけで明日、ショーン・ペン監督映画『INTO THE WILD』を観る予定。何年も前に原初を読み、そうして惚れ込んだ、実話が元になっている、アラスカが舞台の作品です。
その後、夕刻から仕事本格復帰であります。