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プロフェッショナルとアマチュアの違い

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通訳・翻訳者リレーブログ

プロとアマの違いって、なんだろう……。

その専門分野で、生計を立てられているか否か。勿論それはそうなのですが、でもそれは表面的なこと。お金は後でついてくるもの。それよりも…。

先日、雑誌編集者や音楽ライター等、仕事仲間数人と食事をしました。
そうして業界のこと、仕事のこと、音楽や映画や小説のことなど、多方面に渡る話題に盛り上がりました。
その中で、この話題ものぼりました。そうして全員一致した意見、みんなの思う“真のプロ”とは…。

第一に、熱い想いをもつ人。
この業界、音楽が好きで好きでたまらないという想い、情熱を持ちながら仕事をしている人が殆ど。それはもう当たり前のこと。大前提中の大前提。
それはどんな分野でも、同じだと思います。

それから、とにかく言い訳をしない人。
忙しいとかプライベートで云々というのは、仕事やその発注者に、なんら関係のないこと。それを原稿を落としたり、誤字・脱字・誤訳が多いことの言い訳にするなど、とんでもないこと。
自分に厳しく、やっていることに全責任をもつこと。
それができるのが、きっとプロ。

食後みんなと別れてから、有楽町駅前の家電屋へ。
一眼レフカメラ用のアクセサリーを、あれこれ購入したのですが、なんせ青葉マーク貼りたての身。ですから例えば、自分のカメラ&用途に合う大きさのバッグも、自分に合うストラップの長さも、感覚的にまるでピンときていない。その上、ここで買い物をするのは、本当に久しぶりのこと。どこに何を置いているか、まるで分からず。
同じところをウロウロ行ったり来たり、無駄に時間を過ごしていたところ、近くにいたお店の人が、私のようなピヨピヨに、辛抱強く、付きっきりでひとつひとつ丁寧に分かり易く、完璧な説明をしてくださり、もう感謝感激。本当に助かりました。
これぞプロ中のプロ。

そうして欲しいものをすべて揃え、足取り軽やかに、今度は銀座で開催中の写真展へ。
海野和夫氏の『蝶の道』。
色とりどりの蝶の、“目を見張るような瞬間”を捉えた作品たち。もう“素晴らしい!”のひと言でした(すみません、気の利いた言葉が出てこなくて)。
氏はアジアや中南米の昆虫と、彼等の生息する地を専門とする写真家。バイオによると、少年時代より昆虫に魅せられ、農工大学を卒業後に、昆虫写真家として本格的に活動し始められたのだとか。
蝶が好きで好きでたまらないという思い、その情熱が、それぞれの作品から強く伝わってきました。言うまでもなく、それは写真家としての長いキャリアや経験、そうして半端ではない技術に裏付けされたものだと思います。私にはそういう専門的なことは分からないのですが、それでも訴えてくるものを、強く感じ取ることができました。
プロフェッショナルは、凄い。

みんな、やってきたことに対しての自信&誇りを、もっていると感じます。もっているけれど、でも驕ることなく、とても謙虚です。
陳腐な言い方ですが、とにかく気品があって、凛々しくて、カッコいい。

その夜テレビをつけたら、ちょうど“オバマ第44代大統領就任祝賀イベント”の映像が流れていました。
ビヨンセ、ブルース・スプリングスティーン、U2、ジョン・メレンキャンプ、シェリル・クロウなどなど、凄い顔ぶれが勢揃い。そしてどのミュージシャンもみんな訴えるものをもち、“華”があり、とにかく上手い! プロフェッショナルなのですから、当たり前のことなのですが。
でも同じようなイベントを、我が国で開催した場合、政治に対し、これだけ熱い想い&確固たる意見をもち、これほどエンターテインできる“プロフェッショナル”なシンガーは、どれほど揃うだろうか。考えさせられました。いいえ、それ以前に、新しく就任する大統領の為に、これだけ盛り上がれること、そうしてこれほどまでに、みんなを魅了する大統領がいること、それ自体が、日本に住む私にとり、とても凄いことであり、とても眩しく映りました。

閑話休題。

つまり、プロフェッショナルとは、
その分野に長く居続けてきた人。言い換えるならば、ひとつの世界に居続けられた人。その対象と命がけで向かい合い、追い続けてこられた人。
好きなことに情熱を傾け、拘り続け、1本道をずっと歩み続けてきた人。
その結果、世に訴えるもの、独自の世界をもつことのできた人。

その時々の自分の思いに忠実に、感じた瞬間に、感じたように行動してきた人。
妥協を許さず、確固たる信念をもち、それを貫き通す、強靭な意志の持ち主。恐ろしく頑固な人間。

目の前の仕事を、ひとつひとつ丁寧にこなし、1日1日をこつこつと地道に送り、真摯な態度でその世界に没頭し、“気がついたら20年30年40年経っていました”…と、さらりと言ってのけるような人。

ひとつひとつの問題を解決し、ひとつひとつの山を乗り越えて来た人。
どんな困難に直面しようとも動じず、それを楽しむ余裕があるくらい、日頃からその時の準備ができている人。

そうして年を追うごとに、確実に前進し、確実に成長している人。

プロフェッショナルとは、結局のところ、そういう人たちのことを言うのだと思います。

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高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。

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