BLOG&NEWS

至福のひと時の前のドタバタ劇

サイトデフォルト

通訳・翻訳者リレーブログ

部屋の中に立ち込める、柔らかな陽ざしが、身体を優しく包み込みます。6月に入り、とても心地好い日々が続いています。

しかし、
そうそう呑気に構えてはいられません。
実は今週後半、また国内小旅行の予定を入れてしまったのです。よって、その前にやるべきことをすべて、やっていかなければならないのです。
もうこんな追われてばかりの日々を過ごすくらいなら、例のネットブックを手に入れて、旅先でも原稿書きを進めるべきか。いや、でも、そんなことをしている自分を想像すると、ちょっと可哀そうな気もするし…。

でも、焦る……

そんな中、
数日前にやったのは、ある欧州アーティストのインタビュー&原稿書き。
どういう展開からそうなったのか、ちょっと覚えてはいないのですが、話の中で、シェイクスピア作品のことになりまして。“あの作品の登場人物が”“あの作品の中のあの場面は”…などと、人名や粗筋のことが、次から次へと出てきてしまい、一応、英米文学科を出ているのですが、でも、思い出せないことが多くて…。

ちょっと焦ってしまいました……

音楽業界にどっぷり浸かっている身であり、インタビュー内容も、新作のプロモーションに沿ったものゆえ、話の内容が極端に色々なところへ行ってしまうことは、通常あまりないのですが。
でも、時々…。
そう言えば、以前に、“アインシュタインの相対性理論”の話で、盛り上がってしまったことがありましたっけ。科学…いや…理科なんて、小学校時代にさっさと諦めてしまったこの私に、そんなこといきなり振られても…ねぇ…。
これはある日本のシンガーの記者会見で、つまり日英通訳担当時だったのですが、その時はもう、冷静さを装いながら&開き直りながら、記者達の面前で、“ちょっと待ってくださいね”と、テーブルに置いてあった電子辞書を、おもむろに開け、その場で調べながら、“あっ、はいはい。分かりました”…とやってしまいました。
あぁ、こんなことがある度、自分の興味の対象の狭さ、常識のなさを、つくづく痛感する次第です。

で、話を戻しまして、
その“シェイクスピア好き”終了後に取り組んだのが、あるティーンエイジャーのアルバム歌詞対訳原稿。
担当ディレクターからは、“高校生風に訳して欲しい”と言われたのですが、何せ親しい高校生もいなければ、自分が高校生をやっていた時代は、遥か遥か昔のこと。これは想像以上に難しかったぁ…。
それで思い出しましたが、レコード会社ディレクターには、“いまどきのお子達”をちゃんと把握しておく為に、時々渋谷のセンター街など、彼等の生息する場所へ足を運び、喫茶店へ入り、彼等の様子を観察したり、会話を聞いたりする人も大勢いるくらい。
この音楽業界、仕事に関するヒントは、街中のあらゆる場所に、転がっているのですよね。

それはさて置き、
とにかく、焦るなぁ……

で、この“ティーンエイジャー対訳”の直後には、あるベテラン・ミュージシャンのインタビュー及び記事書きです。
担当ディレクターに言われたのは、“おじさん風の口調で書いて欲しい”ということ。あぁ、頭を180度切り替えねば…。
うーん、でも、ティーンエイジャーの友達もいないけれど、おじさんの友達も、同じくらいいないからなぁ…。まさか“I”は“わし”じゃないだろうし、でも“僕”とはまた違うし、かと言って“俺”という雰囲気でもないし、さぁどうしよう…。書き出す前から、考え込んでしまいます。

…で、なかなか集中力が続かず……

あっ、そういえば、いま読んでいて、でもなかなか先へ進めないでいる、松本清張の小説、あの犯人はいったい誰なのだろう? 気になって気になって仕方がないのですが、でも、ここで読み始めてしまったら、原稿の方が終わりそうにないし……。

まったくもって、焦る……

で、その“おじさんインタビュー”を、何とか入稿した直後には、ある北欧アーティストの電話インタビュー&原稿書きです。
しかしこの人、とっても感じの良い人なのですが、とにかくよく話すわ話すわ話すわ…で。ひとつの質問に対し、10分くらいは答えてくれるわ、あちらこちらへ脱線しまくるわ、こちらへ引き戻すのに苦労するわ、で、“これじゃあ、1問につき400字は優にあるなぁ”…などと頭の中で冷静に計算しつつ、インタビューは進んでいったのであります。
そうして結局、30分の予定が1時間に。後にインタビュー予定が入っていなかったので、そういう意味では、気分的に余裕はあったのですが、でも、国際電話料金がまだまだ高い、北欧のある国ですから、“請求書を見ても、驚かないで”…ということだけは、担当ディレクターに伝えておきました、はい。
そうしてこの起こし&原稿書き。言うまでもなく、予定していた時間の倍は掛かり、ここでまた焦りモード全開…。

そんなこんなで、本日だけでも、仕事依頼を3つ断ってしまいました。どれもやりたいものだったのですが…。残念。

そうしていま、ワード・ウィンドーを同時に3つ開き、その上、まるで関係のない音楽を聴きながら、仕事をしています。長いインタビュー原稿や歌詞対訳の場合には、それひとつに集中しないと、どうにもならないので、こんなことは致しません。しかし例えば、このような短いエッセイ感覚のものでしたら、2-3つ同時進行で、思いついたままに行ったり来たり、つぎ足しつぎ足し書いていく方が、うまく仕上がることもあるのですよね。

と、出発まで、もう24時間を切ってしまいました。
あ……焦る……

…と、そこへ、先のティーンエイジャー・アーティストの、ボーナス・トラック1曲分の、歌詞対訳追加依頼が舞い込んできました。それも、明日朝イチには欲しい…ってか??
はいはい、分かりましたぁぁ〜〜っ!!

Written by

記事を書いた人

サイトデフォルト

高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。

END