壁・塀・門
週末にふと手帳を見て、ギョッとしました。
5月と6月の2か月間、富山&奈良への数日間の旅を除いては、1日の休みもなく、数珠つなぎ、ひたすら仕事に没頭していました。趣味の延長のようなことばかり、空気を吸っているような感覚でやっているので、まるで意識したことはなかったのですが…。
でも、これはイカンだろう…と、この辺でちょっとペース・ダウンすることに。
整理できる仕事を思いきり整理し、今週5日ほど空けました。これからしばらく、ウィンドー・ショッピングしたり、映画を観たり、喫茶店などで読書三昧です。
と言うわけで、今週のこのブログも、めいっぱい和めるような内容に。思わず微笑んでしまうような、そんな写真たちを御紹介します。
実は先日、奈良をのんびり歩いていた時に、気になって仕方がなく、絶えずレンズを向けていたものがあったのです。
それは、“壁”…“塀”…“門”。
光沢ある黒い壁、錆びてペンキの落ちた壁、いまにも朽ち落ちそう塀、草土を練って作られた塀、鱗のような蔵壁、ツタ絡まる古門……。
なぜか、ゾクゾクしてきます。
↑ 室生寺近くの蔵。寺町の中に建つ、何とも可愛いその姿に、しばし魅入ってしまいました。
↑ 長谷寺近くの民家。色々な時代を見てきたであろう、町の“長老”。
↑ 興福寺の北円堂。なんとも美しい色の組み合わせに、うっとり。
↑ 若草山近くの家門。周囲の緑と見事に調和していました。
↑ 東大寺の塀。歴史の重みを感じ、自由に触れられるのにも拘らず、恐れ多くて触れることができず。
↑ 食事処ひとつとっても、“さすがは奈良”と溜息が出るような、その佇まい。
↑ 猿沢池近くの民家の門。自然が生み出したアート。人の手だけでは、この味は出せまい…。
日本の地方は、ソソられるような“絵”の倉庫です。
これだから、旅は止められない。
では、日頃お世話になっている、レコード会社ディレクターや雑誌編集者の皆々さま、しばし雲隠れします。どうか探さないでください〜。