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日本のクリスマス・シーズン

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通訳・翻訳者リレーブログ

華やぎのあるもの、そういう光景、そういう空気が、私は無性に好きです。

特にこの季節。空気がひんやりしていて、辺りはキラキラ輝いていて。
厳しい冬。白銀の世界。降り積もる雪が、余計な音を吸収してくれる、しーんと静まり返った、冬の夜。
遠くから聴こえてくるは、賛美歌、パイプオルガン、ミサ、牧師の説教。月の光降り注ぐ教会のステンドグラスや、家の窓ガラスからでさえも、神聖な音色が流れてくる。

澄み渡った夜を包み込む、美しい音色たち。

コートにひらり舞い降りる雪片は、しばらくそのままの形をとどめる。ひとつとして同じ模様のない、自然織り成すその芸術作品を、うっとり眺める、なんともロマンティックな瞬間。

街中を彩る、美しいイルミネーションのなか、大切な人たちに想いを馳せながら、ゆっくりプレゼントを選ぶ。これもまた、こころ躍るひと時。

とても神聖な気持ちになれる、この季節。
幾つになっても、変わらず、無性に好き。

               ◇ ◇ ◇

先日、年末進行のドタバタに紛れ、少しでも日本のクリスマス・シーズンを感じようと、“イルミネーションを巡るバス・ツアー”に、参加して参りました。

朝7時起き。最寄り駅集合。予定通り、9時出発。バス2台、参加者約80名。

まずはお台場。
約2時間後に到着。近くを散策したのち、レインボーブリッジの見えるホテルで、ビュッフェ・ランチ。
その後しばらく、自由の女神像→アクアシティ→ジョイポリス→パレットタウン→プロムナードなど、お決まりのコースを辿ります。

お次は、横浜みなとみらいエリア。
約30分で到着。ランドマーク・プラザ→クイーンズイースト→みなとみらいなど、これまたお決まりのコースを散策。

そうして、汐留。
カレッタ汐留周辺を、ひたすらフラフラ・ブラブラ。
その後、葉加瀬太郎さんプロデュース・音と光の舞台「BLUE OCEAN」を堪能。氏のバイオリンの音色&色とりどりのイルミネーションによる、幻想的なショウ。

最後に向かうは、六本木。
途中、深紅色に着飾った東京タワーの、その真横を通過。
最初に到着したのは、ミッドタウン。
その後に、ヒルズ。
どちらも、普段から好きな場所。
途中で、夕食代わりに、サーモン&サワーチーズのクレープ。なかなかの美味。

そうして再び、朝のスタート地点へ。
10時到着。三日月の明かりを浴びながら、ゆるり帰宅。

               ◇ ◇ ◇

何処も此処も、イルミネーションやクリスマス飾りに彩られ、確かに、とても綺麗でした。
そうしてそれらを眺めながら、それなりに感動したのも、確か。
でも、どうもいまひとつ、心ときめかない。グッと心の奥深くまで、訴えてくるものが、ない。
それは、何故なのでしょう。何が欠けているのでしょう。
毎年この季節、イルミネーション&クリスマス・ソングに溢れた、都内を闊歩しながら、いつも考え込んでしまいます。

なんだか、何処を見渡しても、表面的で、薄っぺらで。
人工的な光に、騒々しい音楽。
その“温度”は、いつもの夜の繁華街と、まるで変わらない気がしてならない。

あぁ私は、あの神聖な雰囲気が、恋しいのだと思います。
たぶん。間違いなく。

それから、もうひとつ、恋しくてたまらないもの。
それは、身も心も引き締まるような、ぴりっとした、あの寒さ。あの厳しさ。透明感ある、あの空気感。

そうして、そうして、何よりも、私が恋しいのは……

祈り。

いつもワクワクするものの、でも言葉では表現し切れないような、少しばかりの寂しさと、少しばかりの切なさに包まれる、師走のこの日本であります。

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高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。

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