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不思議な国ニッポンのカワイイ&嫁&少子化の深い関係

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通訳・翻訳者リレーブログ

日本の女の子は、どうしてみんなこうも、“カワイイ”が好きなのだろう。動物も食物も景色も洋服も小物も。あれもこれも、“それもかよ?”と思うようなものまで。なんでもかんでも。

カ・ワ・イ・イ! カ・ワ・イ・イ! カ・ワ・イ・イ!

その上……
“自分をカワイく見せるには、どうすればいいか”。頭の中は、そんなことで一杯。女性向けファッション誌でも、“相手にカワイイと思われるには”…なる特集を組んでばかり。どうしてこんなにも、“カワイイ”が持て囃され、そうしてこんなにも、周囲の目が気になるのだろう…。

ええ〜っ? うっそぉ〜! ほんとぉ〜? わか〜んな〜い! すんご〜い! あま〜い! やわらか〜い! カワイイ〜!
べたべたブリブリ擦り擦り媚び媚び。

みんなで群れて、みんなで同じ方向へ行って、みんなで甲高い声でキャンキャンはしゃいで。“カワイイ”動物やキャラクターや女の子が主人公の、海外では小学生で卒業するような、そんな類の児童書を、大人になってからも愛読し続け、そのグッズを持ち歩き、ヒラヒラ・フリフリ甘々服を着て。

ニュース番組にまで、“カワイイ”キャラクターが御登場し、アナウンサーも“カワイイ”声で話す。あれは子供の為の番組?

どこもここも幼児化。

“だってカワイイは、いまや世界共通語。世界を制覇しつつあるんじゃないの?”…って。いえいえ、それはごく一部の地域の、ごく一部の人々。それもほぼ若い子達限定。この国のように、大人も子供も、全国中に蔓延している…などという状況とは程遠く。

“なんとかガール”という、流行りの気持ち悪い呼び方。いつものように、女の子達をひと括りにするマスコミなどに、予定どおり集団で、踊らされ浮かれてちゃあ、そこのあーた、いかんぜよ。

イノセント&イグノレント。純粋&無知は紙一重。

早く大人になろうとする国民と、ずっと子供でいようとする国民。
大人の世界を愉しむ国民と、子供時代からオバサン時代へと、一気にホップステップジャンプしてしまう国民。

高校を卒業する頃になっても、自分の好きなこと、やりたいこと、目指す方向が見えず、大学を偏差値やネームバリューだけで決める。その後に学ぶ期間は、周知のとおり、まるまる4年。にも拘わらず、それでもやりたいことは定まらず。就職先もまた引き続き、条件でなんとなく選んだりする。

条件、条件、条件。自分自身は、いったい何がしたいのだろう。なにを欲しているのだろう。嗚呼、4年間も! 時間もお金も、もったいない。

そんな選び方をするからか、“こんなはずじゃなかった”と、会社もすぐに辞めてしまう。こんなはずじゃなかった? じゃあ、どんなはずだったら良かったのか? だいたいそんな短期間で、何が分かるというのだろう。もったいない、もったいない。

何かに長けているかも知れないのに。凄い才能をもっているかも知れないのに。それに気づかせ、引き出してくれる人と、これまで出会ったことはない? まあこの御国では、仕方ないか。みんな、個性を引き出し伸ばすことよりも、叩き潰し均一化させるのに、力を入れているようだから。
あっ、話がどんどん逸れていきそうなので、この辺のことは、また別の機会にでも。

とにかく、もったいない。

で、けっきょく、条件、条件。
そうして迷走の日々は、その後も続くよ、どこまでも…。

嫁に出す、嫁に行く、嫁を貰う。出されたり、行かされたり、貰われていったり。“ドナドナ・ドーナ・ドーナ〜・売られてゆくよ〜”。日本のオンナは大変だ(^_^;)

日本の芸能人達、カメラの前で“外食ばかりで不便。帰宅した時、部屋が暗いのは侘しい。だから早く嫁を貰いたい”と、堂々と言ってのける。
そうして結婚したタレントに、レポーター陣は“得意な料理は?”と、マイクを向ける。それも、女性だけに。で、聞かれた女性は、“魚の煮つけとかぁ〜、肉じゃがとかぁ〜”などと答えて、一気にイメージアップ、世間を味方につけてしまう。ありゃりゃ。

いまはいったい、なに時代? これのどこが先進国?
みんなみんな、なにかヘンだとは、感じないのだろうか。

嗚呼、不思議な国ニッポン。

向こうの男友達とパートナーの話になると、みんな決まって“とても知的な女性で、こうこうこういう仕事をしている”と、誇らしげに語り始める。“家の電気つけて待ってくれていて、旨い肉じゃが作って、僕の世話してくれる”などと言う男とは、これまで一度も出会ったことがない。まあ向こうの人は、肉じゃがなど食べないだろうから。ってそんなこと、言っているんじゃあないしぃ〜(^_^;)

“掃除洗濯は、できる方がやっているし、食事はその時々で、どっちかが作ったり、外で食べたりしている。それだけのはなし”。そんなことを言った海外ミュージシャンは、誰と誰と誰と誰と誰だったか。

実にシンプルな生き方。寄り掛からず、縛り合わずに、支え合う、個と個の結びつき。とても分かり易く、そうして特別なことでもなく。

その代わり、関係がうまくいかなくなったら、あっさりさっぱり別れてしまう。気持ちが離れてしまっているのに、それでも一緒にいるなんて、そんなヤボなことはまずしない。その辺はとてもシビアであり、フェアでもある。そうしてそれは、互いに依存し合うことなく、自分の世界をもち、しっかり自立しているからこそ、可能なことなのだろう。

嫁を貰いその人に、掃除洗濯料理をして貰う代わりに、家に入れる予定のその給料を、そのままそっくり、プロのお手伝いさんに使った方が、理に適っているのに。ミタさんみたいな人、良いと思うけれど、どう?

家族サービス、イクメン。ソンナこと言って、得意になっている内は、あーたまだまだ、オタマジャクシ。

“母親がずっと家にいて、子育てに専念していないと、子供に悪影響を及ぼす。まっすぐには育たない”。ず…ずっと? あ…悪影響? ま…まっすぐ? そんなこと、本気で思っているの?

そんなこんなで、これまではまあ、なんとか成立してきた国だから、託児所もベビーシッター制度も、周囲の理解も、理想とは程遠い状況で…。

しかしそれにしても、保育士の給料は、なぜこんなに安いのだろう?

そうそう。幼稚園ママ仲間が、保育園ママ達に対し、上から目線って、あれはいったいナゼ? 保育園<幼稚園? 懸命に働き税金を納め、家庭を支えている者が、どうして蔑まれなければならない?

働かなくてもいいアタシって幸せ”って、は…はいっ? 働く女性は不幸なのか? 働くことは卑下されることか?

出身校とか会社とか地位などで(それも旦那の)、上とか下とか、偉いとか偉くないとか、幸とか不幸とか。あああああ、すべてが胡散臭い。

自分の意志ではパソコンも開けられず、CD一枚もその場では買えず。“旦那の許可を得ないといけないから”と、笑み浮かべ言うなんて。なぜそうニコニコしていられるの? 不安や危機感はないの? 素朴な疑問が止まらない。

“パパ、パパ”って、その人は、あなたの父親じゃないし、“ママ、ママ”ったって、あたしはあなたの母親ではない!

それにしても、手作り弁当に、あれこれ洋裁関連に、送り迎えに、親参加型諸々行事などなど、“健やかな子供の育成”なる目標のもと、日本の母親はやることがいっぱい。とっても大変だ。

だから仕事との両立なんて無理。って、はい確かに。だいたいこの御国の会社は、女性が働き続けるようには、残念ながら、出来てはいないのだし。そのシステムは、まるで石器時代なのだから。

先進国のようでいて、実は後進国ニッポン。
ゲセない、ゲセない。

でも企業側も、数年で退社してしまう女性の起用には、慎重にならざるを得ないだろうし、しかし女性の中には、辞めたくなくても、そうせざるを得ない、どうにもならない理由が、色々とあるわけだし。でもそうなると、女性に対する企業の待遇は、一向に改善されはしないだろうし、でも改善されない限り、女性の定着率は、一向に上がりはしないだろうし…。

でも、そうしたらせめて、復帰できる時期に復帰できるよう、企業の受け入れ体制が整っていればいいのに。それってそんなに難しいこと?

卵か鳥か、どっちがどっち?
頭の中、ぐるぐるモヤモヤ。

嗚呼。

それにしても日本の企業戦士達は、朝から晩まで、一杯いっぱい働き詰め。オトコは本当に大変。“家族サービス”どころではない。そうして、だから、オンナも大変。仕事を続けたくても、そう簡単にはいかない。働く女性の為の環境が、整っていないわけだから。色々な面で。色々な。
いや、待てよ…
女の子達は、仕事を続けたいとは、端から思っちゃいないのか。カワイイ女の生き方とやらを、幼い頃から聞かされ、刷り込まれ。

肉じゃが、肉じゃが。嗚呼。

いやいや、それとも…
こんな社会だから、途中で諦めてしまうのか。諦めざるを得ないのか。だとしたら、なんてもったいないこと。この国の大損失。
……と、今まで綴ってきた文を読み返し、あれこれ思いめぐらし、頭は益々混乱するばかり。

ああ、卵か鳥か、卵か鳥か…。
ナゾはどんどん深まる一方。

しかししかし、その企業戦士達のハードな働きぶりのお陰で、現在のニッポンがあるわけで。感謝感謝。でも、此の御国が成長していったのに反し、その未来を担う子供が減り続けているとは。いやはや、なんともまあ皮肉な話。

話は逸れてしまうけれど、日本語には、そんな特異性ゆえ、うまく英訳できない難儀な言葉やフレーズの、なんとまあ多いこと。言葉とは、その地域の文化や歴史や習慣をも、背負っているのだから。先程の“嫁に行く”や“嫁を貰う”然り。それから“寿退社”とか“男子厨房に入るべからず”とか“愚妻”などなど。場合によっては、その言葉の背景説明から、入らなければならない。他の言語は、どうなのだろう。
でも逆に日本語には、魅力的な言葉や言い回しも、無数にあり。まあ、この話は別の機会に。

しかし、それにしても、日本の女の子達は、偉いわなあ…と思ったり、よく頑張っているよなあ…と感心したり、可哀相だなあ…と同情したり。と同時に、自分で一生やり続けたいこと、歩みたい道はないのかな…と疑問に思ったり、自力で人生を切り開こうと、考えることはないのかな…と、不思議に映ったり。

この世は矛盾に満ちているし、完璧な社会など存在しない。問題に対する解決策はひとつではなく、そもそも人間なんて、所詮たいして御立派な生きものではない。それは重々承知しているけれど。

しかし、それでも……。

ニッポンの女の子たちは、苛々しないのだろうか。おかしいと感じること、ないのだろうか。でも、ああ、そうか。やっぱり、おとなしくしていた方がいいと、そう思っているのか。その方がカワイイ…と…。

肉じゃが、肉じゃが、だったわなぁ。

少子化、少子化。大変だ、大変だ。そう言われて久しいけれど、こうして書き連ねていくだけでも、とても分かり易い構図。なるべくしてなったまでのこと。いずれこうなるのは、目に見えていたはず。驚くべきことでも何でもなく。だからこそ、もっと早くに、何とかすべきだったのに…。

とにもかくにも、この国も国民も、あのこともこのことも、色々なことが、時代の流れや変化に、まるで追いつけてはいない。哀れなほど。

嗚呼。

愛すべき我が日本。先進国の仮面を被った後進国。ヘンテコで不可解なことテンコ盛り。此の先、何処へ向かおうとしているのか。こんなにも美しい土地に住む、魅力的な国民なのに……。

なんだかなあ。

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高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。

END