あのストレートネック宣告から、2カ月が過ぎようとしています。ついこの間のような、遠い昔の出来事のような。とにかく人生始まって以来のビックリ大事件。
医者嫌いの健康優良児。このあたしが、病院がよい&リハビリだなんて! どう考えたって滑稽だ。ぐるぐる眩暈がいたします。
あの日を境に、色々なことが激変しました。いやはや、何ともなあ…。
週2回、3種30分のリハビリ、真面目にやっとります。ウォーキングも週2-3回、30分から90分ほど、地道に続行中。専用アプリを起動させ、ルートやら消費カロリーやらをフォローしつつ。記録していると、お楽しみも倍増。あとで見直しては、喜んでおります。
ウォーキングのルートは、何パターンかあり。その時々の都合によりコースを選択。これまで数え切れないほど、マウンテンバイクで行ったり来たりしてきた道々。しかしまあ、自転車の上からは見えなかった光景が、こんなにあるとは! 足元の草木に生る赤い実、道沿いに置かれた芸術的な煉瓦、喫茶店のユーモラスな看板、木々の下から覗く犬小屋…。馴染みの町、馴染みの道。でも新たな気づきが歩くたびあり、とても新鮮。エラく得した気分になっています。
もっかの悩みは、途中でスーパーなどに吸い込まれ、クッキーやらプリンやらチョコレートやらと、余計な買い物、いつの間にかしてしまうこと。背負っているリュックサック、近々小さいものに切り替えねばなあ。
時節柄、落ち葉拾いもしています。秋の香りに包まれながら、冬支度に勤しむ周囲の光景。移りゆく彩々を、これまでゆっくり眺めてこなかったのは、どうしてなのだろう。こんなに身近にあるのに…。僅かな瞬間、今だけの色たち。何もかもが儚く、だからなお一層のこと愛おしい。今まで、なんてもったいないことしていたのだろう。
カサカサ、カサカサ。動くたび足元でする、秋の音にそっと耳傾けてみたり、枯葉の山に飛び込んでみたい衝動に駆られたり…。でも、落ち葉は落ちたままに、掃かないでおいた方がいいのかな? その方が美しいし、自然の姿なわけだし。そんなことふと思い、立ちどまってみたり。
そうそう、富士山麓にも出かけてきました。少しばかり前のことですが。クラブツーリズム主催”富士山すそ野・ぐるり一周ウォーク”。参加できる時に参加可能の、計17回で一周するコース。そうそう、全行程網羅した時には、素敵な記念時計が貰えます。
で、今回参加したのは、”北口本宮富士浅間神社→忍野八海”。大自然の中に身を置くこと。これが人間本来あるべき姿なのでは。短い旅を終え、改めて実感しました。
ストレートネック宣告以来、一番変わったこと。それはずばり、パソコン&iPhoneと距離を置くようになったこと。
パソコンは原稿書きや調べ物などの、仕事以外では開けない。スマートフォンでメールしたりフェイスブックを読んだりする時間も、めっきり減りました。はい、減らしました。まあ元々どっぶりユーザーではなかったのですが。LINEでの雑談も、もう殆どしていない。大事な会話は、別のところでちゃんとやっているので。
要するに、必要以上に繋がらない。だって、時間がもったいない! お陰で、もの凄くすっきりした生活が送れています。昔に戻った…と言った方が正確か。
それから、夜は仕事をしない。さっさと寝る! 仕事は昼間にやり、夜は寝る! 鳥の鳴き声を耳にしながら、ベッドに入るのではなく、鳥の鳴き声と共に目覚めるようになりました。そうして朝、日光を浴びながら、ゆっくり紅茶を飲み、ゆっくり新聞を読む。光合成、光合成。心地良い一日の始まり。
だって人生、そんなに急いで何処さ行く? この程度の時間も取れなくて、人間どないする?
ゆっくり、ゆるり。シンプルに、適当に。
ストレートネックになる人は、自分に無頓着な人。そんなことを小耳に挟んでしまいました。痛いなあ。しかし、ほんまかいな。でも、であるならば、これからは自分にもっと頓着しちゃおう。
読書の時間も、たくさん確保するようにしています。無理矢理。これ、脳やこころの最大なる活性法。元々大好きだったのに。なのに忙しさにかまけて、このところなかなかできないでいました。
首こり&眼疲れ&頭痛が酷くなり、病院へ駆け込んだあの朝。”あたし、どうなってしまったんだ?!”。待合室で、不安に緊張に、ブッ壊れそうになりました。その時に握り締めていたのが、『緑の島に吹く風』。敬愛する風景写真家、吉村和敏氏のエッセイ集。
ルバーブ・パイ&バニラアイスを食べる場面を、初めて読んだ時の想いを、今でも鮮明に覚えています。ああ幼年期、カナダの裏庭に植わっていたルバーブ。時々引っこ抜いては、齧っていたあのルバーブ。大好きなルバーブ・パイ。それを食する人が、ここ日本に居たとは!
どの頁からでも良いのです。パッと開けたところから、1-2頁そっと紐解いてみる。するとそれだけで、い
もこころ落ち着く。わたしのバイブルです。
話は飛びますが、先日テレビでムースの特集をしていました。この地球上でもっとも好きな野生動物。観ながら、星野道夫氏のエッセイ集に、久々触れてみたくなりました。そうして開いたのが『長い旅の途上』。これまた、優しい気持ちになれる、極上の一冊です。
そう言えば、先の『緑の島に吹く風』の中に、氏が写真家として駆け出しの頃、星野さんと出会う場面が。星野さんの写真集『ムース』購入秘話も。ずっと欲しかったのに、まだ手にすることができないでいる絶版。それもわたしの第二の故郷バンフの書店で! なんてこった!
あの本&この本、あの作家&この作家。色々なものが色々なところで、ふと繋がっている。不思議なものです。
……で、なんの話でしたっけ。
まあでは、この辺で閉めますか…。
と言うわけで2013年。ざっくり振り返ると、前半は苛々するような翻訳本との格闘、そうして後半はひたすらのんびり病院がよい。とんだ予想外のことありーの、思いどおりに行かないことありーの、人生始まって以来…と言うくらいの、アンビビーバボーな一年でした。
でも人生、すべての出来事や、そのタイミングには、必ず意味があるのだと、常々思っていたりもしますから。
焦るな、ぺこたん!
2014年が、飛躍の年、ヒヒ~ンな一年でありますよう。皆さまに、幸せ山盛り運んでくれますことを…。
引き続き、よろしくお願いします。