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ぺこたんズ・ウイークリー・ダイアリー

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通訳・翻訳者リレーブログ

●3月23日(火)●
昨夜、明け方まで原稿書きだったので、遅めの起床。
いつもと同じ朝食。グレープフルーツ・ジュース+ヨーグルト+フルーツ+パン数種少しずつ+蜂蜜入り紅茶+エンゼルパイ。朝刊読み&軽くストレッチ。目覚めたところで、紅茶入りグランデ・タンブラー片手に、仕事部屋パソコン前へ。

まずはお香をたきます。そうして机上の手帳を見ながら、本日の予定確認。で、昨日遭遇した英単語&フレーズ見直し+単語帳記入。
その後メール・チェック。要即答ものには、その場で返事書き。しばらく温めておきたいものは、そのまま放置。
終了後、先ほど朝刊広告で目に入った本を、アマゾン・カートの中へ。引き続きネットで、ニュースなどをチェック。おっ、仕事した某アルバムが、予約段階で、音楽チャートTOP3入りしておるゾ! こういうことは、素直に嬉しい。
この“ウォーミング・アップ”だけで、軽く1時間経過。嗚呼。まぁ、いつものこと…。

さてと、本日のメインディッシュは、某ベテラン・バンドのニュー・アルバム用歌詞対訳作業。

●24日(水)●
業界同業者仲間3人と、飯田橋駅横の“カナル・カフェ”でランチ。
パスタ+ピッツァ2種+オープンサンド+(私だけ)デザート・プレート。サラダ&飲み物は、取り放題バー。
桜には少々早く、おまけに本日は大雨。しかしそんな外の天候など、まるで気にならないほど、話は大盛り上がり。考えてみれば、みんなと知り合ったのは、22歳の頃、編集部在籍当時。と言うことは、人生の半分以上の付き合いになるわけでR。うげぇっ。

“業界内の同業者同士、足の引っ張り合いやイジメや派閥はないの?”と耳タコできるほど、よく聞かれます。でもこれが実は、まるで、ない。仕事の取り合いはないし、する理由もないし、腹立つようなこともない。だいたいそういう負の感情は、疲れるだけ。そんな精神力、今の私には、ありませ〜ん。
互いを尊重していますし、音楽という共通の“趣味”があるし。何よりも、同業者でないと理解できない想いが、多々ありますから。そういうことを話せる相手がいるのは、とても幸せなこと。
そうそう、可笑しな話がひとつ。先日依頼された通訳インタビューの仕事。予定が入っていた為に、4人とも断っていたことが判明。結局誰で落ち着いたのかな? こんな感じで、少ない人数の中で、仕事がグルグル回っている、この業界なのであります。
ここ数年は、スケジュールが合わず、なかなか会えないでいたのですが、“これからはマメに会おう”…と約束して、別れました。あぁ、楽しかった〜!

帰宅後、引き続き、某ベテラン・バンドのニュー・アルバム用歌詞対訳作業。明け方まで。

●25日(木)●
昼ごろ、マウンテンバイクに跨り、デイバッグを背負い、最寄り駅へ。
まずはJRツアー窓口で、来月の京都&奈良の手配。1か月を切っていたので、ちょっと心配だったのですが、希望日&ホテルが取れて、ホッひと安心。
桜を愛でるには、ちょっと遅い…か。でもこの時期しか空けられず。しかし桜吹雪を浴びる…というのも、とても素敵かも…。と考え始めたら、益々ワクワクしてきました。

終了後、駅ビル内のレコード屋へ。最近の売上&傾向、仕事したアルバムやアーティストをチェック。うーん、今はちょっと端境期か。これと言って“パッとするもの”は見当たらず。
その後、向かいの書店へ。まずは、20日一斉発売の写真雑誌をチェック。その後、文庫本コーナーへ。しかし、ソソられるものは無く。先日またアマゾンでまとめ買いしたから、まあいいっか。
雑誌も書籍も売れない、今日この頃。みんなが買わなくなったのは、単に“読むこと”に興味がなくなったのか、“読みたいと思う本”が減っているのか。それとも、“見せ方”に問題があるのか。陳列の仕方を変えた途端、売り上げが急上昇した…という話も聞きますし…。
その後、すぐ下の階にある文具屋へ。これまた大好きな“憩いの場”。こころ満たしたところで、そのまた下の、洋服屋フロアをチェック。結局、何も買わず。でも春物の傾向は分かったつもり。
最後に、コーヒー・ショップでひと息。カプチーノ+ちょっとだけ読書+ちょっとだけ人間ウォッチング。

帰宅後、引き続き、某ベテラン・バンドのニュー・アルバム用歌詞対訳作業。完成⇒見直し⇒入稿。

少々の読書(『孤高の人』新田次郎)でクールダウン後、就寝。

●26日(金)●
午後、敬愛する人気風景写真家・吉村和敏氏の作品を観に、新宿方面へ。
話題のデジタルカメラの“凄さ”を紹介する特別展。これだけ大きく引き伸ばしても、十分に耐え得るだけの、この作品たち。氏の腕の確かさを再認識。この迫力、この空気感。まさに匠の技。近くで、離れて。唸りながら、しばし見入ってしまう。

プロフェッショナルとアマチュアの境目が、なくなりつつある…。色々な世界で、そう言われています。
どんな世界でも、目を出すのには、“とっかかり”が必要です。話題の仕事を任せられたり、著名な人とのコラボだったり。あるいはルックスが良かったり、喋りが上手かったり、愛すべき人柄だったり…と。そういうことは、プラスになるでしょう。そうしてそれにより、“チャンスを得ること”“名を売ること”はできます。その一瞬…だけでも。
でも最終的に問われるのは、各々の“腕”や“才能”や“世界観”。もちろんこの“きっかけ”を手にするのもまた、ひとつの才能と言えるでしょう。しかし、肝心なものを持っていなければ、結局は、そこまでの命。持っている者は生き残れるし、持っていない者は生き残れない。限りなく分かり易い構図だと思います。

非凡なアーティストは、そのきっかけが何だったのか、思い出せなくなるほど、その後の芸術家道を切り開き、確固たる世界を築き上げてゆくもの。群れず、ぶれず、媚びず、凛としていて、気高い。
そんなこんなを考えさせられた、この特別展であります。

帰宅後、大好きな男性ヴォーカリストの、新作歌詞対訳作業開始。前作に引き続きの依頼。ありがたいことです。

●27日(土)●
昨日に続き、男性ヴォーカリスト新作歌詞対訳作業。
柔らかく淡々とした歌い方の中に流れる、強さや逞しさ。凛とした佇まい。今作では、それがより一層強くなっています。そんなところも、日本語対訳中に表現できれば…。そう心掛けながら作業を進めます。

それにしても、今日はどうも筆の滑りが悪い。何だか入り込めず、ぼんやりしてしまう。考えてみれば、

日は土曜日。桜も咲き始めた、甘い春風吹く、心地好い1日…だから…ですかねぇ…。

再び対訳の話。作業を行なう上で、真っ先に考えるのは、IとYouの日本語訳。
“ぼく”“僕”“ボク”“おれ”“俺”、“わたし”“あたし”“私”“アタシ”“ワタシ”。“あなた”“きみ”“おまえ”“あんた”“アンタ”など。この彼・彼女なら、どう言うだろう…。同時に、口調にも気を遣います。
それから、その曲その曲の空気感。幸せな曲なのか、哀しい曲なのか…。ひとつひとつの曲を、じっくり聴きながら、その辺の“色”を感じ取り、言葉を選んでいきます。

余談ですが、今回このアルバム対訳は、シングル1曲だけを先に。それ以外の曲も、完成された順に入れて欲しい…とのこと。
こういうケースは、新人やキャリアの浅いアーティストの場合、よくあります。それは、プロモーションを早めにやっていくため。資料として雑誌社等に配ったり、同時期に原稿書きしているライナー・ノーツ担当者が、参考にするため。
アルバム全体の、流れや雰囲気を大切にしたい。だからまとめて入稿したい。それが対訳者としての本音。でも、と同時に、アーティスト・プロモーションに協力している者として、このやり方は当然。納得しています。

真夜中、明日の電話インタビューの質問事項作成。

●28日(日)●
午前中、某ハード・ロック・アーティストへの電話インタビュー。

インタビューで、最も気をつけていること。それは最初の数分間の、挨拶&ちょっとした会話。その間の“ノリ”で、インタビュー全体の流れや出来が、決まってしまうほど。たとえば、“本日はお忙しいところ、インタビューを受けてくださり、ありがとうございます”“あと1本、30分ほど、お付き合いのほど、どうぞよろしく”などと。
あるいは、たとえば、“本日はインタビューの日なのですか?”“この後も何本か続くのですか?”と、その日のスケジュールを確認することも。そうしてインタビュー続きのようなら、繰り返し聞かれているであろう質問は、なるべく短くしたり聞き方を変えたりと、飽きない疲れない工夫もします。
経歴を細かく聞かなければならない、新人の場合には、“基本的なことも、聞かなければなりませんが、どうぞよろしくお願いします”と、ひと言つけ加えることも忘れません。
長くなった場合には、“あと5分ほどで解放しますね”“あと2問ほど、お付き合いくださいね”などと言うようにしています。
相手がカナダ人でしたら、カナダに住んでいたことを、南米ツアー前後の相手には、南米に住んでいた当時のことに、少しだけ触れることも。そうすると話が盛り上がり、とても良い感じのインタビューになることが多々あります。
とにかく、楽しく気持ちよく話ができるよう、あれこれ工夫しています。

インタビュー終了後、引き続き、男性ヴォーカリスト新作歌詞対訳作業。数日前から、出来た順に入稿していた本作も、明け方、全曲無事入稿。

●29日(月)●
昨日の電話インタビューの起こし開始。

夕方、初めての方からの仕事依頼が入ります。
いわく、“弊社OOOからの紹介で…”。本当にありがたいことです。
内容は、新人シンガーの歌詞対訳。こちらも、“シングル1曲を先に欲しい”…とのこと。とても透明感溢れる、元気な女性。将来期待大…です。

対訳作業を進める上で、もうひとつ注意を払っているのは、自分の能力を過信しないこと。従って、辞書はマメに引きます。しかしこれまた、そのまま使うわけではありません。辞書を引きつつも、それを元に、自分の言葉を紡ぎ出すようにしています。
また単語ひとつひとつを、細かく追ってはいますが、でも必要以上に、それに引っ張られないようにしています。大切にすべきは、“木”ではなく“森”、全体の“絵”“空気感”“流れ”ですから。

真夜中、電話インタビュー原稿完了⇒見直し⇒入稿。

●30日(火)●
明日一杯で、新宿厚生年金会館が、閉鎖されるとのこと。先ほどニュースで特集していました。30年ほど通い詰めた、素敵な想い出に溢れる同ホール。残念—。長い間ありがとうございました。

で、本日は、海外インタビュアーが書き起こした原稿を、英日翻訳する作業開始。こういう仕事も時々入ってきます。因みに相手は、私の大・大・大好きな某ヘヴィ・メタル・ミュージシャン。ワクワクしながら、日本語に置き換えていきます

それにしても、このインタビュー、長い! 今日もまた、明け方まで掛かってしまう…のか………。(+_+)

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高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。

END