引っ越し貧乏
東京に暮らすようになって、かれこれ24年が経ちました。その間の引っ越し回数は6回。平均すると、4年ごとに転居している計算になります。この数字が多いのか、少ないのかわかりませんが、だいたい2回目の家賃更新を迎える頃に引っ越しをしているようです。
最近では、同世代の友人が一戸建ての家を建てたり、購入したという知らせを耳にすることも多くなりました。中には、地階に音楽スタジオをつくってしまった友人もいて、実にうらやましい限り。テレビで『渡辺篤史の建もの探訪』を観て、「この人、絶対に悪いことしてるよ」とか、「親のすねっかじりめ」とか、「このダンナ、尻に敷かれてる」なんて他人様の幸福そうな暮らしぶりにケチをつけながら、慎ましい賃貸生活を送っています。完全に負け犬の遠吠えですね。とほほ……
それでも、学生時代の風呂なしアパートからユニットバス付きのワンルーム、マンション6階の2LDKへと、カタツムリが成長するように住まいを替えてきました。現在は、いわゆる「テラスハウス」に暮らしています。生活の場であると同時に、仕事場でもあるので、住環境には人一倍気を使いたいところですが、現実はわずか四畳の狭い部屋でギターとCDと本に文字通り「囲まれて」仕事をしています。ただでさえ狭いのに、妻が目黒の中古家具屋で衝動買いした巨大なウィングチェアがでんと居座っています。これは仮眠専用になってしまいました。
東京郊外のこの場所に部屋を借りることを決めた理由は、何と言っても大きな公園がすぐそばにあることです。朝夕のジョギングで運動不足を解消しようと思ったわけなのですが、実際は息子と一緒に夕方の散歩を楽しむ程度。これでは体内脂肪が燃焼する間もありません。それでも、東京にいながら咲いている花の種類や樹木の香りで季節の移り変わりを肌で感じられるのは、正常な時間の感覚を忘れてしまいがちなフリーの翻訳者にとってうれしいものです。
↓わが家の「庭」です(爆)。