BLOG&NEWS

立ち会い出産

とと

通訳・翻訳者リレーブログ

公園に近い現在の住居に引っ越して間もない頃、わが家に一匹の猫が遊びに来るようになりました。勝手に「ミーコ」と名づけました。まだ生後半年くらいのメス。最初から人間を警戒する様子もなく、リビングに上がり込んで日なたぼっこをしたり、ソファで昼寝をしたり・・・。よそ様の飼い猫に違いないと思っていたのですが、首輪などはしていません。

お隣に住むSさん(中国人の気功の先生)に話を聞いたところ、ある寒い日の朝、彼が駐車していたクルマのエンジンルームに猫が入り込んで暖を採っていたのに気づかず、どこかから連れてきてしまったとのこと。仕方なく(実は大喜び)、大家さんに内緒で、半野良猫としてお隣と共同でこっそり飼うことにしました。Sさんがすでに「小猫(シャオマオ)」と名づけていたので、「シャオマオ・ミーコ」という長い名前になりました。

春になり、そろそろ避妊手術をしなければと思いつつ、仕事にかまけて延ばし延ばしにしていたのがいけませんでした。悩ましい鳴き声に気づいたときには、すでにお腹が膨らみはじめていたのです。いろいろ調べてみたところ、猫は生後7ヵ月ごろから3ヵ月おきに発情すること。交尾によって排卵が誘発され、不特定多数のオスと関係を持った結果、父親の違う子猫が同時に産まれてくる可能性があることを知りました。すさまじい繁殖能力です。

ある朝、ミーコが重そうなお腹を抱えて、いつものようにわが家に上がり込んできました。でも、何だか落ち着きがありません。どうやら出産場所を探しているようです。いくら懐いているとはいえ、外で産むものとばかり思い込んでいた妻と私がおろおろしていると、突然の破水・・・。あわてて段ボール箱にタオルを敷き、そこに寝かせてやると、2時間の間に次々と4匹の子猫を産みました。茶トラが1匹、キジトラが1匹、それにミルクティーが2匹。まるで母猫の毛色を「四色分解」したみたいです。(つづく)

Written by

記事を書いた人

とと

大学卒業後、数年のサラリーマン生活を経て、フリーランス翻訳者に。技術系から出版物と、幅広い分野で高い評価を得ている。趣味は音楽。ただいま子育て奮闘中。

END