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里親さがし

とと

通訳・翻訳者リレーブログ

産まれたばかりの子猫は、まだ目が開いていません。耳も人間と同じように(?)、最初は顔の横に付いていますが、成長するにつれて位置が上昇して、やがてピンと伸びた三角形になります。不思議なことに、それぞれの子猫が吸う母猫の乳首は決まっていて、外で営業(猫もいろいろ忙しいようです)を終えた母猫が寝ぐらに戻ると、子猫たちはもつれ合いながら一斉に自分専用の乳首めがけて突進します。

子猫が産まれたことで、ミーコと私たちの関係も変化しました。私たちが子猫に触ろうとすると警戒し、しばらくすると子猫の首根っこをくわえて不安そうにあたりを彷徨い、ベッドの下やソファの後ろへ子猫を一匹ずつ隠してしまうのです。これはきっと、母猫としての防衛本能なのでしょう。それでも、夜に私たちがリビングでくつろいでいると、授乳を終えたミーコが二階から下りてきて、「大人だけ」の静かな時間を過ごすこともありました。そんなときは、子育ての大変さを愚痴っているような感じです。

産まれて1ヶ月が過ぎ、子猫たちは離乳食を食べるようになりました。この頃にはミーコも相当に疲れていて、授乳をするのも辛そうでした。そろそろ乳離れさせて、子猫たちの里親を探さなければなりません。知人から里親さがしの難しさを聞かされていたので、早めに実行することにしました。まずはビラづくり。知人のお店や動物病院に掲示をお願いしました。インターネットの里親募集サイトにも投稿しました。あとは連絡を待つのみ。

ある日、ミーコが外でスズメをつかまえてきました。どうやら子猫たちに、狩りの仕方を教えようとしているみたいです。都会の野良猫に野性を見た気がしました。ところが、その夜からミーコが外に出たまま、家に戻らなくなりました。翌日から、妻と一緒に近所を探し回りましたが、どうしても見つかりません。子育てでかなり体力を消耗していたので、とても心配です。

そんなことはお構いなしに、4匹の子猫たちはスクスク成長していました。(つづく)

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とと

大学卒業後、数年のサラリーマン生活を経て、フリーランス翻訳者に。技術系から出版物と、幅広い分野で高い評価を得ている。趣味は音楽。ただいま子育て奮闘中。

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