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プロ論。

とと

通訳・翻訳者リレーブログ

先日、私が会社勤めをしていた頃、アルバイトとして仕事を手伝ってくれた仲間たちと久しぶりに再会しました。中には十数年ぶりに会う人もいます。フリーの編集者や高校の化学教師、大手広告代理店の広報、大手でない広告代理店のクリエイターなど、職種もさまざま。彼らが学生の頃に知り合ったので、私はずっと先輩風を吹かせていたのですが、みんな立派なオトナになっていました。たぶん、いちばん世間知らずなのはこの私・・・。年月が経てば、年齢の差なんて関係なくなってしまうものですね。

全員が転職を経験していました。務めていた会社の倒産がきっかけになった人もいますが、それでもみんな自分のやりたいことに近づこうとコツコツ努力した結果、現在の仕事に就くことができたようです。大企業だからこそできる仕事もあれば、小さな会社やフリーでなければできない仕事もあります。いろんな人が、いろんな分野で働いているから世界は動いているのだなと、改めて実感しました。

フリーの編集者をしている友人から、『プロ論。』という本をもらいました。自分で手掛けたそうです。B-ingという雑誌の連載企画をまとめたものです。カルロス・ゴーンから糸井重里、養老孟司、小谷真生子、笑福亭鶴瓶、和田アキ子に至るまで、さまざまな分野の「プロ」にインタビューをおこない、現職に就くまでの経緯や仕事観を聞き出しています。とても興味深い内容。中には、たとえ話ばかりで中身がなかったり、自慢話に終始している人もいますが・・・。

この本に登場する人たちの多くに共通しているのは、お金に直接結びつかない仕事でも、決して手を抜かないこと。そして、人との出会いを通じてチャンスを広げていることです。もちろん、そのチャンスを活かせるだけの実力を備えているのは言うまでもありません。中でもドキッとしたのは、高橋がなり氏の次の言葉です。「負け犬は群れるから、自分が負け犬であることに気づかない」。うーん、身が引き締まる思いです。

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とと

大学卒業後、数年のサラリーマン生活を経て、フリーランス翻訳者に。技術系から出版物と、幅広い分野で高い評価を得ている。趣味は音楽。ただいま子育て奮闘中。

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