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「ゴッホの寝室」にお邪魔してきました

すーじー

通訳・翻訳者リレーブログ

The Art Institute of Chicago (シカゴ美術館) で現在開催中の「Van Gogh’s Bedrooms (ファン・ゴッホの寝室)」展。世界に3バージョン存在するというゴッホの油彩画『アルルの寝室』 (黄色いベッドに赤い毛布、ブルーの壁……でおなじみのアレです) 1カ所に集めて比べてみようという壮大な企画です。

かなり混雑しているらしいし、印象派はもういいかな (どこに行っても結構たくさんあるし) ……と迷っていたのですが、結局行って来ました。

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シカゴ美術館に行く途中にて (ちょっと怖い……)

開館時間 (午前10時半) をすこし過ぎた日曜の11時ごろ、たぶん混んでいる本館のチケット売り場を避け、新館モダンウイングから入場

(知る人ぞ知る? 時間セーブ術です。機会があればお試しを)。そのまま、まっすぐ2階の展示会場へ。

37年間という短い生涯の間に24都市37カ所に暮らしたゴッホ。その彼がようやく見つけた「我が家」が、南仏アルルに借りた「黄色い家」。今回の展覧会は、その家の寝室の絵を中心に、彼が本格的に画家を志した晩年の約10年間を①オランダ・ニューネン(ヌエネン)→②パリ→③アルル→④サン=レミ&オーヴェルと追体験していく構成になっています。

ゴッホのよろこびや悲しみ、絶望が伝わってくるようで、かなり切ない気分になります……

まあとにかく、今回の目玉の『寝室』3バージョン。

   

18881016~17日、「ゴーギャン近日来訪」の知らせに心躍らせつつ、アルルで描いた作品 (アムステルダムのゴッホ美術館所蔵)

   

188995 (「事件」後の静養中)、最初のバージョンをコピーした作品 (シカゴ美術館で通常見れるバージョン)

   

1889928 (②の3週間後)、母と妹にプレゼントするために描いたやや小ぶりな作品 (パリのオルセー美術館所蔵)

※展示会期間中は、以下のサイトでも比較できるようになっていますので、興味のある方はチェックしてみてください。http://extras.artic.edu/van-gogh-bedrooms/about-paintings

画集やウェブサイトで見ると「……そんな違わないんじゃ?」という感じなのですが、3点並べて見比べると、細かいディテールや構図のバランスが確かに違います。面白くて①②③の間を何度も往復してしまいました。そういや子どもの頃、中日新聞サンデー版に掲載されてた「間違い探し (2つの絵を見比べて違いを探すクイズ)」を兄と毎週、競争でやってたなあ。

個人的に一番好きだったのは①。健康さと良い意味での生活感を感じます。次はシカゴ美術館の②。色使いも含め、アートとしては洗練されてるかなあと。最後がオルセーの③。サイズも小さいせいか、小じんまり無難にまとまっている感あり

(まあ個人的な感想ですが)

ちなみに『寝室』の最初のバージョンは、ゴーギャン来訪の知らせにわくわくしながら客室に飾る絵を休みなしで何枚も描き続け、そのあげくにぶっ倒れて2日半寝込んだ後、唐突に思いついたらしいです (やっぱり睡眠は大切!)

あと、思いがけなく見れてラッキーだったのが、アルルの家にゴーギャンが滞在している間に描いた2枚の椅子の絵 (『ゴーギャンの肘掛け椅子』と『ゴッホの椅子』)。それぞれアムステルダムとロンドンから来ています。

とにかくお宝・エピソード満載。一所懸命に見すぎてかなり疲れましたが、心に残る企画展でした。人間、10年間でこんなに変われるんだなあ……

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来月510日まで開催していますので、GWにシカゴを訪問される方がいたら、ぜひ立ち寄ってみてください。

シカゴ美術館 http://www.artic.edu/

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記事を書いた人

すーじー

1998年春、研究留学する夫に同行して渡米。大の苦手だった英語をイチから学びなおすことに。シカゴ在住のフリーランス英日翻訳者として、マーケティングから金融・経済まで幅広い分野のビジネス案件にたずさわる。最近、興味があるのは、DIYと健康になること。2017年より神奈川在住。

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