初のゲラ校正
初の上訳本が近く出版されることになり、先日、生まれて初めて「ゲラ校正」を体験いたしました。実務翻訳の「チェック」とはまったく別物ですね。そもそも縦書きだし、分量も対象読者もぜんぜん違う。
今回は、作業のさいに気づいた点を(覚え書きがわりに)いくつか共有してみます。
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1.「消せる」ボールペンは校正作業に最高!
編集プロダクションの担当者のかたにお勧めいただいたのですが、ものすごく便利で感動しました。今までは「予定帳に書き込むときは便利かな」といった印象しかなかったのですが、グループでの校正作業でこれを使うと使わないとでは天地の差があります。
ちなみに私が使ったのは、フリクションボールペンの0.38mm(近所で150円くらいでした)。おすすめです! 無印とか別ブランドもありますが、書き味もいいし、消しやすいし、細さも最適。この用途には今のところマイベストな気がしています。
2.校正記号はあらかじめきちんと学び、統一したほうがラク
校正記号の使い方についてはインターネット上に情報があふれていますが、若干「揺れ」があるようです。わかれば何でもOKなのかもしれませんが、後で別の人が見る場合には、統一したほうが親切かもしれません(私は作業をするうちに気になり、後から直しました)。ちなみに、お仕事させていただく出版社や編プロさんが採用している方法がわかれば、それを使ってあげるとより親切かもです。
3.文字は簡潔・丁寧・はっきりと。
(実務などでの)自分だけのチェック作業のときと一番違うのがこれ。次に作業する方々にわかりやすいように、赤入れやコメントの文字を大きくはっきりと書くことが重要です(自分だけで作業するときは、自分だけにわかればいいのですが)。私の場合、やばそうな部分はぜんぶ(かなり多かった……涙)書き直しました……フリクションボールペンに感謝です。
4.小見出し、強調でこんなに変わる!
実務翻訳と「フォーマット的に」違うのがこの点。少なくとも私が手がけたようなビジネス本では、完成形(商品)はすべて原文どおりというよりも、日本の読者にとって読みやすくわかりやすいようにコンテンツを「加工」してあげたほうがずっと親切です。
今回、担当編集者の方が、要を得た小見出しをつけ、不必要な(くどい or 要旨とはあまり関係ない)部分をいくつか思い切って削ってくださったものを拝見し、感動しました。こんなに読みやすくなるとは!
5.その他あれこれ。
・ダッシュや点線は、正しいものをきちんと使いたい。一見同じに見えるが、縦書きにして紙に印刷してみると(線が中心になく)微妙に横にずれたものも時々まじっているので注意。
・カッコの使い方も工夫したい。「」や『』のほか、〈〉゛”なども賢く使い、日本の読者に見やすいように。
・参考文献の表記法も、最初にきちんと統一しておきたい(APA、MLA、Chicagoスタイルのどれを採用するのか)
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とりあえず、作業はひと段落。いい本になりますように!