ロシアのゴールデンウィークに思ったこと
ゴールデンウィークに合わせ、私もしばし休業。この時期はロシアも5月1日の春と労働の日から9日の戦勝記念日まで飛び石連休で、ロシア版ゴールデンウィークといった感じ。ロシアでも今週から日常に復帰なのだが、風邪をこじらせた私の復帰は遅れそうだ…。
ロシアでは、5月7日にメドベージェフが大統領に就任し、翌8日にはプーチンが首相に就任。9日の戦勝記念日には、二人並んで赤の広場での大規模軍事パレードに出席。双頭体制のスタート、メドベージェフ政権でも「強いロシア」という路線にかわりがないことを内外にアピール。
ナチ・ドイツとの戦いで2000万人以上(TVでは2700万人と言っていた)の犠牲者を出したソ連。その戦いに勝利したこの日は、ロシアで最も大切な祝日のひとつ。お祭り騒ぎになる。
第二次大戦の日ソ関係を思えば、私がこの祝日のイベントに行くのは場違いなのだが、ロシア人でもある娘の保護者として、二つのイベントを見ることになった。
ひとつは、5日に、娘の通う現地校に退役軍人を招いて行ったイベント。生徒たちが、「この国を守ってくれて、ありがとう」という趣旨の詩を暗誦したり、歌ったり。日本の学校ではこういうのはタブーなんだろうな、日本は語り継ぐべきことや大切にすべきことまで封印してしまったんじゃないか、と思いつつ見ていた。
もうひとつは、9日に近所の公園で行われた戦勝記念イベント。うちの子が所属する合唱団も出演することになったので。ここでは、一分間の黙祷の時間もあった。この祝日イベントで歌う姿を見ながら、あらためて、うちの子には祖国が二つあるんだよな〜と思った。
ちょうど連休を利用して、山崎豊子の『二つの祖国』を読んでいる最中。日系二世の主人公が、二つの祖国の狭間で苦しみながら、第二次大戦で米軍語学兵として日本軍の情報解読をしたり、東京裁判で通訳のモニターをしたり。昔NHKの大河ドラマで見て衝撃を受けたものだが、ドラマと原作では随分違うようだ。我が子がこんな苦しみを経験することのない世界であるよう願わずにはいられない。