BLOG&NEWS

Euro 2008

さるるん@ロシア

通訳・翻訳者リレーブログ

この前の土曜日(6月21日)、サッカーのUEFA Euro 2008でロシアがオランダを破り、準決勝への進出を決めた。試合開始は、モスクワ時間の午後10時45分。我が家はモスクワの都心から離れた住宅街にあり、普段は静かなのだが、この日は近所のどこぞかに集結したロシア人たちが試合前から盛り上がるのが窓の外から聞こえてきた。我が家でも夫がTVにかぶりつき。私は別室で週明け納品の翻訳作業…。

ロシアが先制ゴールを決めたときの近所の騒ぎと言ったら! でも、試合終了5分前にオランダに同点に追いつかれ、試合は延長戦へ。私も翻訳がほぼ完了し、延長戦から観戦。おもしろい試合だった。ロシアが追加点を決め、焦り始めるオランダ。終了間際にロシアがダメ押しのゴールを決めた時点でロシア人観客は勝利を確信し狂喜。うちの近所もこの決勝ゴール後、大騒ぎがやまず、道に出てきて「ロシア! ロシア!」と叫ぶものあり、車のクラクションを祝砲がわりに鳴らし続けるものあり、花火を打ち上げ始めるものあり。すでに午前1時をまわってるんですけど…。翌朝TVのニュースを見たら、市の中心部(赤の広場あたり)はものすごい人出で一晩中大騒ぎだったらしい。極東のウラジオストックで人々が喜ぶ映像も出ていた。

ヒディンク監督って本当にすごいんだね。試合後のインタビューで選手も「監督のおかげ」と口々に言っていた。日本にもヒディンクが来てくれないかな、でも、ロシアみたいにオイルマネー積めないから無理だろうな、などと思った。

実際、経済が好調なロシアは、このところスポーツでも勢いがある。先月、サッカーのUEFAカップ(欧州のクラブ対抗)でサンクトペテルブルクのクラブ「ゼニト」が優勝。このときも国中大喜び。大統領になりたてのメドベージェフが帰国したチームメンバーを迎え、はしゃぐ姿が、単なるサッカーファンのようだった。ロシアでサッカーと並んで人気があるのはアイスホッケー。こちらも、5月に世界選手権で15年ぶりに優勝。カナダで開催された選手権で、ライバル・カナダを決勝で破ったということで、このときの喜び方もすごかった。

以前、プーチン前大統領が、ソ連崩壊後の経済の低迷によりスポーツ振興に力を入れられない時期が続き、選手も、裾野となる子どもたちの能力も育たなかったが、これからはスポーツ振興に力を入れたいと言っていたと記憶する。ここ数年の好景気でスポーツに潤沢な資金が流れてきたことが最近の快挙につながっているようだ。

右肩上がりの経済。懐かしい…。ともあれ、勢いのある国で暮らすのは、おもしろい。

Written by

記事を書いた人

さるるん@ロシア

米系銀行勤務後、米国留学中にロシア人の夫と結婚。一児の母。我が子には日露バイリンガルになってほしいというのが夫婦の願い。そのために日本とロシアを数年おきに行き来することに。現在、ロシア在住、金融・ビジネス分野を中心としたフリーランス翻訳者(英語)。

END