ブラボーと叫べなくて
米国次期大統領がオバマ氏に決まり、ロシアでは歓迎ムードの報道が目立ちます。そりゃあロシアに対して強硬派のマケイン氏より都合が良いだろうと思いつつ眺めております。
さて、先週、大好きなピアニストが出るコンサートに行ってきました。
オーケストラ: ロシア国立交響楽団
指揮者: Michael Guettler(ドイツ)
ピアノ: Alexander Kobrin
プログラム:
第一部 シュトラウス「ドン・ファン」
ベートーベン「ピアノ協奏曲第3番」
第二部 ベートーベン「交響曲第3番 エロイカ」
若い指揮者がステージに現れた瞬間、なぜか「のだめカンタービレ」を思い出しました。実際、演奏が始まると、まさに「のだめヨーロッパSP」(お正月に放送されたTVドラマ特番)の指揮者コンクールで石井正則さんが演じた指揮者のようだったんです。番組では石井さんがジャンプしながら感情表現をする指揮者を演じていて、こんな指揮者いないだろ〜と思いながら見ていたのですが、いるんですね〜。
実際にGuettlerがジャンプしたのは中盤に一回だけでしたが、スタートがまさにジャンプインというようなスタート。動きが大きい。ほとんど踊ってる。動きすぎて、一度指揮台から片足を踏み外した。演奏は良かったのですが、始まってしばらくは「なんじゃ、こりゃ」と呆気にとられておりました。モスクワの観客の反応も戸惑いがち。
二曲目。いよいよコブリン登場。ピアノの音を聴いて、ああコブリンだ〜と嬉しかったのですが、曲が彼の持ち味をフルに発揮できる曲ではなく物足りなかったです。今回のコンサートは、指揮者のユニークさに圧倒されたものの感動がないまま終わってしまいました。
モスクワでは、演奏への賞賛は「ブラボー」という掛け声で表現します。日本のように「アンコール」という掛け声はありません。スタンディングオべーションもまずないです。私も好きなピアニストが素晴らしい演奏をしたときには、「ブラボー」と叫びたい。でも、発音コンプレックスのため未体験。告白すると、英語で食べているくせに、rとlの発音の区別がうまくできません。BravoがBlavoになるかも、いや緊張のあまりBlaboになるかも・・・と思うと、ついためらってしまう。
夫との会話は英語ですが、以前「子どもと遊んであげてね」と頼んで、ふと気づくと父子でひざまずいて祈りを捧げていたことがありました。ニヤニヤしながら、「prayと言われたから」と。私がplayを意味していたことは百も承知で。これがトラウマになっているのかも。