Unusual Snow
夜には零下10度にまで気温が下がるようになったモスクワ。先週、天気予報では当分雪が降らないはずだったのに、粉雪が舞いました。予報がはずれたと思っていたら、思わぬニュース記事を発見。あの雪は“unusual snow”だったそうです。どうしてunusualかと言うと、manmadeだから。
市内の工場や火力発電所からの蒸気やら排気やらがこのところの冷え込みで雪になったもので、自然の雪じゃなかったとのこと。そんな由来の雪だけど「危険性はない」なんて、わざわざ断り書きがあると、かえって心配になったりもして・・・。おちおち子どもに雪遊びもさせられやしない。
人間の活動が気象に影響を与えているしるしのunusual snow。直接の原因は工場や火力発電所だけど、そこを悪く言ってすませる話ではなく、消費者であり電力利用者である私たちのライフスタイルに思いをはせなければならないこと。
Manmadeと言えば、先日、ポーランドで開催されたCOP14の会場で、NGOが“US Senate Minority Report: More Than 650 International Scientists Dissent Over Man-Made Global Warming Claims”に基づいて、温暖化人為説はでっちあげだと主張したそうで・・・。
長期的には温暖化ではなく寒冷化が進むらしいのでGlobal “Warming”の強調は正しくないかもしれないけど、manmadeのClimate Changeが起きているのは確かでしょう。『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』で「京都議定書は無意味」と断言する武田邦彦氏だって、問題の本質は「我々の活動があまりに激しく、地球の気温を左右するまでになったということであり、その変化が急激だというところ」で、原因は「無制限なエネルギーの使用」、つまり私たちのライフスタイルだと書いています。
まあ、日本の場合、この先、必要なエネルギーを確保し続けられるのかというのも心配ですが・・・。それで思い出すのは、真山仁(『ハゲタカ』の作者)の『マグマ』。外資ファンドのターンアラウンド・マネジャーが地熱発電の運営会社の再生に行くという設定で、地熱エネルギーの知識も得られるし、なかなかおもしろかったです。日本にもエネルギー資源がないわけじゃない。地熱以外にも、海底には天然ガスもメタンハイドレートもあるはずですが・・・。その開発が進まない理由は、『マグマ』から推測できる気がします。