いい経験になりますように
このところ何となく落ち着かないのは、9歳の娘が、あさってから10日間、所属する合唱団の海外遠征でドイツ・オーストリアに行く予定だから。親が同行する家庭もありますが、我が家からは娘ひとりの参加です。
ここはロシア。旅行のスケジュール表が早めに渡される、なんてことは望めません。現時点で私が知っているのは、行き先がドイツ・オーストリアだということと、出発便・帰国便の情報のみ。飛行機の行き先はわかっているけれど、具体的にその後どの街に行くのか、滞在先のホテルがどこなのか、知らないのです。今日、ついにスケジュール表がもらえるはず。
私のまわりのロシア人は、概して不確実性・曖昧さに対する許容度が高い。それでいて、土壇場で決めるべきところは決め、落ち着くところに落ち着くのです。結果オーライに持って行く底力はすごいんですけどね。なんというか、「異文化」です。
今回の旅行に際して思い出すのは、2年前の6月。合唱団のサマーキャンプのこと。5月に参加の意思を伝え、出発予定日の1週間前の説明会の日に教室に行ったら、誰もいない。先生に電話をしても、つながらない。携帯メールでメッセージを送ったら、翌朝、先生から電話がかかってきて、「出発は明日。お宅は参加費を払ってないから、参加しないと思ってた。出発が早まったから、説明会は先週やったわよ。」 集金の締切なんて聞いてない! 説明会のときに払えばいいと思ってたのに・・・。それから、ドタバタの展開で、なんとか参加が認められ、娘は翌朝モスクワ郊外でのサマーキャンプ(10泊)に出発したのでした。
当時、娘はロシア語能力ほぼゼロの状態でモスクワに来て1年ちょっと。まだ日本人学校に通っていた頃です。ロシア語を身につけるためにロシアに来たのに生活環境が日本語中心ではロシア語習得が遅々として進まない、ということで、秋から現地校に移ることになっていて、娘も自分なりに考え、「このサマーキャンプの経験が秋からの新しい学校生活の役に立つはず」と自分で参加を決めたのです。
「私のためにいろいろしてくれて、本当にありがとう!」と笑顔で旅立っていった娘でしたが・・・。
親元を離れ、友達とも十分にロシア語でコミュニケーションが取れないという状況で、ホームシックになってしまいました。本人曰く「毎日、丑三つ時まで眠れなくて、朝は5時に目が覚めてしまう」(丑三つ時・・・怪談を愛読してたから)という不眠が続き、体が食べ物を受け付けなくなってしまい、途中リタイア。あのときは、ホントにたいへんだった。
今回は、あのときのように途中リタイアしようにも、親が迎えに行けません(夫はドイツ・オーストリアの入国ビザがないし、私は「出国ビザ」を取らないとロシアを出られない)。でも、あの頃に比べて、ロシア語能力は飛躍的に伸びて会話には問題がないし、合唱団の友達とのつきあいも長くなったし、本人も「苦手なことを乗り越えられそうな気がするから、わくわくしてる。」と言ってるので、きっと大丈夫だと思います。・・・それでも、やっぱり、何だか落ち着かないんですよね。
いい経験になりますように。