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じっくり考えてみよう

さるるん@ロシア

通訳・翻訳者リレーブログ

昨日のいぬさんのブログを読んで、しばし考えてしまいました。
冒頭に書かれていたような声が「大学の保護者会」から挙がったということに驚いたのです。日本の大学を卒業してから四半世紀もたっているので今の大学事情には疎いのですが、大学に保護者会があって、大学との懇談の場が用意されているなんて・・・。そういうものは、高校までかと思っていました。大学のカリキュラムに対する意見・希望が学生ではなく親の方から大学に伝えられたことがショックでした。大学を変えるために声を挙げ行動するのは学生だと思っていました。時代の違いなのでしょうか。

保護者の声を聞いて、大学がしかるべき対応を取る。これは、学校経営もひとつのビジネスと考えると腑に落ちるところもあります。大学に通うお金を出すのは保護者。その声を聞いてサービスを充実させることは、ビジネスならば当たり前かもしれません。少子化ということもあり、大学も生き残りのために努力しなければならない時代でしょうし。経営者がそういったビジネスの感覚を持つことも必要なのだろうと思います。

でも、大学の本質的な部分がビジネスになってしまっては困ります。まして、クライアント=保護者になり、その保護者の求めるものが良い就職先では困ります。あまりに昔のことすぎて、こまかい記憶は定かではありませんが、私が大学時代に教わった国際関係概論や社会心理学の教授たちは、「今がアイデンティティ確立の時期。自分の時間を自由に使えるのは今だけなのだから、おおいに書物を読み、友と語り、考えろ。」「自分が何者であるのか、どう生きていきたいのかじっくり考えなさい。」というメッセージを伝え続けてくれたように思います。大学の役どころが変わってきてしまっているのかもしれない。そんな時代だからこそ、ほんとうの教育とは何かを考え、たいせつなことを伝えたいという思いを胸に学生と向き合う教授の存在は大きいと思います。いぬさん、がんばってください!

しかし、「自分の時間を自由に使えるのは今だけ」ではなかったかも・・・。このところ、不景気のせいか翻訳の仕事が減り、自由に使える時間がふえました(苦笑) こういうとき、フリーランスという立場だと不安です。この先どう生きていきたいのか、じっくり考えるチャンスが与えられたと思って、とことん考えてみようと思います。

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記事を書いた人

さるるん@ロシア

米系銀行勤務後、米国留学中にロシア人の夫と結婚。一児の母。我が子には日露バイリンガルになってほしいというのが夫婦の願い。そのために日本とロシアを数年おきに行き来することに。現在、ロシア在住、金融・ビジネス分野を中心としたフリーランス翻訳者(英語)。

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