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心配だらけ

さるるん@ロシア

通訳・翻訳者リレーブログ

先週の金曜日、11月27日夜に、モスクワとサンクトペテルブルグを結ぶ列車「ネフスキー・エクスプレス」の爆破テロ(26人死亡、90人以上が負傷)がありました。2年前にも同じ路線で爆破テロが起きています。そして昨日30日にはチェチェンの隣のダゲスタン共和国で、また列車の爆破テロ(負傷者なし)がありました。同じテロ組織の犯行らしいです。「またか」と暗い気持ちになってしまいます。

こちらの報道では、2年前に同路線でテロがあったにもかかわらず、「ネフスキー・エクスプレス」は最低限の救急用品も懐中電灯の類も備えておらず、しかも救助が来るのに時間がかかったため、救えるはずの命が救えなかったとの乗客の声が紹介されていました。私も年に何度かロシア国内を列車で移動するのですが、旅するときは非常袋を持ち歩いた方がいいのかな。

カフカスではテロが頻発しているのですが、都市部にも飛び火するのではないかとも言われており、モスクワでも過去に劇場占拠事件や地下鉄爆破テロが起きているので、ちょっと怖いです。

こういう国で暮らしているので、今の日本を見ていると、ものすごく違和感があります。今、一番気持ち悪いのは「友愛外交」ということば。友愛、Win-Winの関係、それは人と人との関係ならば良いと思います。でも、今の(帝国主義的な)世界における外交というものと、友愛ということばはどう考えても結びつかないだろうと思うのです。国際社会の現実に目を向けずに、「日本は平和主義の国です」と訴えていれば、戦争にもテロにも巻き込まれず、侵略も受けないと信じているようなメンタリティーと同じで、それじゃ生き残れないよ、と思ってしまうのです。

まあ、日本外交のあやうさは、鳩山政権に始まったことではありませんが・・・。

ロシアは、友達と呼べる国はほとんどなくて、敵だらけなので、その外交に隙のなさを感じます。どこかの国がロシアの国益を毀損するような発言をしたり、行動を取ったりすると、すぐに反応して、然るべき発言や行動を取ります。チェスのように、相手が駒を動かしたら、対抗の手を打ちます。他方、日本の外交は相手が駒を動かしても何もしない、相手がどんどん駒を進めるのを眺めているだけのように思えることが多いのです。

最近の日露関係では、前原国交省の北方領土「不法占拠」発言に対して、ロシア外務省が抗議の声を上げました。ロシアも北方領土問題を解決しようという気はあるし、日ソ国交回復(日ソ共同宣言)を成し遂げた鳩山一郎の孫である鳩山首相には好感も持っているので、進展が望めるはずです。佐藤優氏の分析によれば、ロシアの「抗議」は、不法占拠だということは自分たちもわかっているのに、なぜ今わざわざそんな発言をするのか、領土交渉の方針に変更でも生じたのか、という「問いかけ」なのですが、それに対する日本の回答が極めて曖昧なのです。しっかりしてくれ、と言いたくなります。

他にも、普天間問題をはじめ、心配なことが山のようにあります。私も傍観するだけではなく、おかしいと思うことは首相官邸に意見メールを送ろうと思っています。

最後に・・・
鳩山政権でひとつ感慨深く思ったのは、鈴木宗男氏が衆議院外務委員長に就任したこと。彼が再び外交に関わる日が来ようとは思わなかった。

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記事を書いた人

さるるん@ロシア

米系銀行勤務後、米国留学中にロシア人の夫と結婚。一児の母。我が子には日露バイリンガルになってほしいというのが夫婦の願い。そのために日本とロシアを数年おきに行き来することに。現在、ロシア在住、金融・ビジネス分野を中心としたフリーランス翻訳者(英語)。

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