週に1日は・・・
仕事がいただけるのは、ありがたいことです。心からそう思います。でも、この2ヶ月で完全オフは2日のみで、あとは働いていたせいか、疲れがたまっているような気がします。上手にスケジュール管理すれば、同じ量の仕事をしていても、もっと完全オフの日を確保できたはずなのに・・・。
「ああ、週に1日は休みたいな」
と思ったところで、ちょっと待って、プレイバック、プレイバック。
あれは、10年以上前のネパールでのできごと。
米国留学中の夏休みに、米国NGOのインターンとして、貧困層の自立支援プログラムのモニタリングを行うために、ネパールはラムジュン郡の山村に6週間滞在したのですが、その初日に、現地NGOスタッフ(ネパール人)と活動スケジュールを打ち合わせたときのこと。むこうがスケジュールを組んでくれたのはいいのだけれど、全然、休みがない。
やだ、はりきりすぎて忘れちゃったのねと思って、笑いながら、
「このスケジュール、休みがないんですけど」と言うと、
一同きょとん。
「ほら、土日もずっと予定が入っていて、休みがないでしょ」と言うと、またまた、きょとん。
「あの〜、このNGOのお休みは何曜日ですか?」と尋ねたら、
「休みは特にないです」という答えが返ってきて・・・
のけぞりました、私。
そこは、農村だったから、農業に休みなんかないから、仕事全般に休みというものがないみたい!?
「週に1日は休ませてください」と頼んで、スケジュールを調整してもらいましたが、なんだか自分がとんでもない怠け者のような気分になったものです。本当にびっくりしたなあ、あのときは。
このモニタリングの仕事は、支援対象グループや個人に会いに行くために、毎日、数時間の山歩きをしなければならなかったので、週に1度の休養日は、私にはやはり必要でした。
毎日の運動量は多かったのですが、ホームステイ先の食事は基本的にベジタリアンで、肉が食べられるのは週1回程度。肉を食べない日が3、4日続くと、道端に放し飼いにされている鶏を見る目が変わってきちゃって・・・「食べたい」と切実に思いながら見ていたっけ。
ちなみに、休みの日には、当時付きあい始めて日が浅かったダンナに「ロシア人について知りたかったら、ぜひこれを読んでほしい」と薦められたドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を読んでいました。雨季の蒸し暑いネパールの農村で読むには、およそふさわしくない本だったけれど。電気も、水道も、電話も、車もない村と聞けば、さぞや空気がいいところなのだろうと思うでしょうけれど、それは違います。どこにいても、つねに牛糞の匂いが漂っていたのです。だから、『カラマーゾフの兄弟』と聞くと、牛糞の匂いを思い出してしまいます。