煙だらけの街から
あいかわらず、モスクワの気温は、37度、38度が並び、まるで熱を出して保育園をお休みしている子どもの体温表みたい。たまに平熱36度が入るけれど。
日本でも報道されているように、モスクワ近郊で累計300件以上の森林火災や泥炭火災(自然発火)が起きており、その煙がモスクワ市内にも流れ込んでいます。8月2日にはモスクワ州に非常事態宣言が出されました。先週の火曜の夜から、我が家のあたりにも、本格的に煙が到達。深夜、翻訳作業をしていたら、焦げ臭いにおいが強くなってきて、以来、四六時中、外は煙で白くて視界がわるい、暑くて窓を開けるしかない我が家では、室内にも焦げ臭いにおいが立ち込めているという状態です。
煙には基準の10倍を超える有害物質が含まれているらしいです。モスクワ市は、長期間の外出を避けろ、老人・子どもは外に出るな、外に出るときは水に濡らしたマスクをつけろ等々、呼びかけています。
日本大使館からもメールが入っていました。
対策は「家庭では窓を閉め,エアコンを使用し外気をいれない」
エアコンがない人はどうしたらいいの? 少なからぬ在留邦人が我が家同様、エアコンのない生活を送っているはずだけど。
せめて扇風機を買おうと思っても、近所の家電量販店じゃとっくに売切れです。
かれこれ一週間も焦げたにおいの中で暮らしているので、きれいな空気を吸いたいです。娘は義母のところで夏休みを過ごしていて、この健康被害を受けずに済むのが救いです。私もどこかに避難しようかな。
話変わって、先日のTV番組「嵐にしやがれ」で、嵐の松本潤くんが映画字幕翻訳家の戸田奈津子さんから「ハリウッドスターにインタビューする極意」を伝授してもらい、実際にアンジェリーナ・ジョリーにインタビューする企画がとてもおもしろかったので、一部書き起こしてみます。
戸田「最初のポイントは、インタビューなさる方のことをリサーチしておくことだと思います。」
ということで、ハリウッドスターの個性について紹介。
まずは、ジョニー・デップの写真が登場。
テロップは「ハリウッドNo.1の癒やし系」
戸田「インタビューしててもね、声が小さくて、こういうふうにしないと(と松潤に顔を寄せる)聞こえないくらいボソボソって・・・それで非常に言葉を選んでね、真摯に答える人なの。すごく感じが良くてね、彼にインタビューしたら、みんな彼のファンになっちゃうの。あんないい人なんですか?っていうのがジョニー・デップなの。それでね、本当に癒される人なの。」
ちなみに、ジョニー・デップと180度違うのが、トム・クルーズで「疲れを知らない超人」なのだそうです。エネルギーを発散していて、スゴイ明るい方で、そばで一日仕事しているとこっちがクタクタになっちゃう、とのこと。
さて、インタビューの基本の挨拶。
日本のインタビュアーは「Nice to meet you!」の一点張りなので、変わった言葉で挨拶をしてほしい、と以下の言葉を伝授。
I’m so excited to see you.
My dream has come true.
次に握手の仕方。
握手してみてと言われた松潤が、両手で相手の手を包むアイドル握手をしたので、笑ってしまった。
戸田「力のない握手をする人はダメ。力をこめて、嬉しいって気持ちが伝わらなきゃダメ。」
もう一度、握手の練習をしていました。
相手の目を見ながら、しっかりと握手して、教わった挨拶をすれば、相手の最初の心は掴めるはずというところで指導はおわり。
【都内の某ホテル】
松潤が、アンジェリーナ・ジョリーにインタビュー。
戸田先生は同行せず、松潤のインタビューをモニターで見て採点。
松潤の第一声は“Hi, nice to meet you!”でした。あらら。
でも、自己紹介の後、ちゃんと“I’m so excited to see you. My dream has come true.”と言えました。
それに対してアンジーが言ったのは、私の耳には “Oh, you’re sweet. You as well. I wanted to meet you.”と聞こえたのですが、字幕は「かわいらしい方ですね。(英語も)上手です。会いたかったわ。 」でした。う〜む。
松潤が嵐のDVDやCDを渡し、いざ映画「ソルト」についてインタビュー。もっぱらアクションシーンの話。松潤の最後の質問が、松潤らしくて素敵でした。
松潤:今すごく充実されているかなと見てて思うんですけど、日々自分が良い自分でいられるように保つ秘訣は何ですか?
アンジー:As long as you don’t hurt anybody, you have to live very boldly and do everything that you hope to do and go fully into it.
戸田先生の採点は・・・
「緊張してるとおっしゃっていたわりには余裕があって素晴らしかったです。もちろん、ちゃんとした基本のポイントも押さえていたし、最高でした。得点はもちろん100点満点。差し上げられるなら120点差し上げます。」
う〜ん、書き起こしてみたけれど、何を伝えたかったんだろう、私。字幕翻訳の大御所x嵐という組み合わせに、ハイになってしまったのかな。そして、松潤が、ちゃんと映画を見てインタビューの準備をして、自分の言葉で感想を伝えてる姿、相手の生き方について知ろうとする姿が素敵だと思ったし、うれしかったし、美しかったのです。ホントにまじめでいい子だ。