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この1ヶ月

さるるん@ロシア

通訳・翻訳者リレーブログ

震災発生から1ヶ月が過ぎました。
ほんとうは月曜日にブログを更新するはずが、いろいろ思うことがありすぎて、でも、何を書いても違う気がして、書いては消し、書いては消しを繰り返すうちに今日に至ってしまいました。

地面が揺れることのない遠いモスクワで暮らしていても、日本で余震と原発の問題がいまだ現在進行形で続いていることで、どうしても気分が沈みがちです。日本の復興にはいささかの疑いも持っていません。復興という目標に向かって突き進む日本人の底力を信じていますから。ただ、日本人は他国の人々よりも「不確実性」というものが苦手だと思うのです—秩序を重んじ、計画に沿って着実にものごとを進めていくのが得意なことの裏返しで。だから、現在進行中の問題は、精神的にきつい・・・と思うのです。

そんな日々に、心をほっこりさせてくれたのは、やはり嵐でした。3月19日の「嵐にしやがれ」での緊急メッセージ、3月31日の「ひみつの嵐ちゃん」でのディズニーとのコラボレーション、4月1日の「Mステ」でのメドレー。寄り添おうとする気持ち、一瞬でも笑顔になってほしいという気持ちが伝わってきてうれしかった!

そして、天皇陛下のビデオメッセージは、あたたかくて、心にしみました。自主停電、御用邸のお風呂開放、御料牧場からの食料提供、避難所訪問。ほんとうにありがたいと思います。

早く原発の事態が収束すること、余震の心配をしなくてもいい日が来ることを切に願っています。

以下はロシア関連の話です。(ちなみに下の写真は、今年の結婚記念日にダンナからプレゼントされたマグカップ。私たち夫婦の絆も、この二人と同じくらい強く長続きするように!?)

ロシアでも、震災発生後すぐTVでメドベージェフ大統領の会見が放送され、「ロシアは日本に対していつでも支援をする準備がある」との発言が、トップニュースで繰り返されました。もっとも、この時点ではサハリンやクリル(北方領土を含む千島列島)への津波が懸念されていたので、「地震の影響はロシアにも及んでいる」という趣旨の会見でもありました。その後の一連の動きを見ていて、ロシア政府は真剣に支援しようとしていると感じました。

ロシアは、特にエネルギー供給での支援を表明しています。3月12日には、プーチン首相が日本への液化天然ガス(LNG)供給量を増やすよう閣僚に指示し、13日にはサハリンからLNGを積んだタンカーが日本に向かいました。19日には、プーチン首相がサハリンに行って地元当局と対日支援について協議しています。東シベリアでの石油・天然ガスプロジェクトへの日本企業参加も呼びかけています。日露関係の改善を願う私としては、この機に協力関係を深めてほしいと思ってしまいます。でも、東シベリアの開発は、サハリン2の経緯を思うと、どうなんだろう・・・。

それで、積読になっていた黒木亮の『エネルギー』を引っぱり出しました。サハリン2が登場する小説です。黒木亮の作品は、何冊か読みましたが、いずれも実際に起きたことを緻密な取材に基づいて書いており、小説としてのおもしろみは今ひとつですが、事件の経緯や、その業界・国でどのようにビジネスが進められているのかを知る楽しみがあります。登場人物も実在のモデルがいることが多いようですが・・・この『エネルギー』を読んでいたら、なんとうちのダンナもしくはその仕事仲間と思われる人が出てきました。お芝居で言えば通行人のような役でしたが、まさか、こんなことがあろうとは。爆笑してしまいました。文庫本全3巻ですが、途中で仕事が忙しくなってきたため、読了はいつになることやら。

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記事を書いた人

さるるん@ロシア

米系銀行勤務後、米国留学中にロシア人の夫と結婚。一児の母。我が子には日露バイリンガルになってほしいというのが夫婦の願い。そのために日本とロシアを数年おきに行き来することに。現在、ロシア在住、金融・ビジネス分野を中心としたフリーランス翻訳者(英語)。

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