ネイティブ vs ノンネイティブ
ただ今、ビザ更新のために一時帰国しております。
4年ぶりに満開の桜を見ました! やはり心がはずみますね。
9日にモスクワを出発する前にブログを更新するはずが、9日朝納品の翻訳案件がギリギリまで仕上がらず、納品後、帰国用の荷物をパッキングし、ブログを書き始めたら、予約していたタクシーがなんと予約時間の45分前に来てしまい、アップできないうちに出発するはめに・・・。前回の一時帰国のときに予約したタクシーは、予約時間を30分すぎても現れず気をもんだので、それよりは良いけれど、まったくモスクワのタクシーの“予約時間”というのは何なのだろう。
ともあれ、出発前に書こうと思っていたのは、下記の記事を読んで感じたこと。
「ネーティブスピーカーとノンネイティブの立場の逆転現象」
http://topics.jp.msn.com/wadai/searchina/article.aspx?articleid=935480
この記事によれば、英語母語話者の人口は3億2千9百万人、ノンネイティブで実際に英語を使って生活している人口がおよそ15億人から18億人とのこと。「世界で使用される英語の質が問題となってきています」とありました。ビジネス翻訳をしている私も、ネイティブが書いたと思われる原稿に出会う確率は低く、ノンネイティブが書いた文章が大半を占めます。文法的に「???」という文章に悩まされることも少なくありません。
通訳者のように瞬時に判断することは求められていないので、じっくり検討することはできますが、「???」という部分も省略せずにできる限り正確に訳さなければならないので、結構苦労します。今までで一番悩んだものは、おそらく中国系の人が書いたと思われる英語で、前置詞や関係代名詞の省略が多かったもの。まるで漢文を読んでいるようで、高校時代、漢文が苦手だった私にはつらかったです。
ロシアのある制度に関する報告書もなかなか大変でした。ロシア人が書いたと思われる英語で、単語選びがおかしかったのです。おそらくロシア語の単語を辞書で引いて、出てきた最初の英単語を使ったのだと思われます。これはロシア人であるダンナに、元のロシア語を推測してもらい、適切な英語に直してもらって対処しました。
一口にネイティブといっても、私はアメリカ英語に親しんできたので、実はイギリス英語に悩むこともあったりします。
ともあれ、ノンネイティブが書いた「???」という文章に出会ったら、自分にできることは、原稿全体をよく理解して論理的に考えた上でbest estimateで訳し、クライアントに対してbest estimateであることを必ず断り書きとして入れることだろうと思います。
さて、これからロシア大使館にビザを受け取りに行って、夕方には成田に移動します。