ニジニー・ノヴゴロドへ
先程、長いこと抱えていた案件を納品して、あと30分程で夜行列車に乗るべく、家を出ます。ニジニー・ノヴゴロドで開催されるダニール・トリフォノフのピアノリサイタルに行くのです。大好きなピアニストが演奏する、大好きなシューベルトのD960を聴きたくて。
もともと今週は別の案件が入っていたので、これは「遠征している場合ではない。働け」という神の思し召しだとあきらめていたのですが、それがキャンセルになったので、これは「行って来なさい」ということだと理解し、急遽チケットを手配したのです。初めて行く街なので、ダンナにアテンドを頼みました。
しかし、その後、スケジュールがタイトな仕事が入り、神の思し召しは、やはり「働け」ということのようなのですが、すっかりその気になっているダンナに取りやめとは言えず・・・。
ニジニー・ノヴゴロドは、ヴォルガ河の畔にあります。天気に恵まれたら(モスクワはこのところ連日雨ですが)、写真を撮ってきて、追加でアップロードします。
それでは、行って参ります。
【6月15日 追記】
ニジニー・ノヴゴロドから帰ってきました。お天気に恵まれ、ヴォルガ河の眺めを楽しむことができました。高台から見下ろすヴォルガ河とどこまでも続く広大な大地(しかも、どこまでもとことん平ら)は見事な眺めでした。
写真は、オカ川がヴォルガに合流する地点を映したものです。左がオカ川で、右がヴォルガ。
これは、ヴォルガ。対岸には、どこまでも平らな大地が続きます。
大昔のロシア人は、この高台からの風景を見て何を思ったのだろう。「この地平線の果てには何があるんだろう」と東に進んだものの、何千キロ行っても同じような風景で、「もう少し行けば何かあるはず」と進み続けて極東に達しちゃったんだろうな、ついでに海を渡ってアラスカにまで到達しちゃったんだろうな、と思うような風景でした。(ダンナがスマホで撮った写真では、今ひとつ、それが伝わらないのがもどかしい・・・)
ヴォルガをバックにしたこの教会を見て、思わず「おおっ!」と声を上げてしまいました。まるで、函館港とハリストス正教会みたい。ヴォルガの畔で、郷里の風景のそっくりさんに出会うとは!
旅のメインは、トリフォノフのリサイタル。彼はこのニジニー・ノヴゴロド出身のピアニスト。楽しみにしていたシューベルトのソナタD960は、これを弾くには彼はまだ若すぎるのかもという印象だったのですが、ショパンのエチュードOp. 10では「この音が聴きたかった!」というキラキラした美しい音色が聴けて大満足でした。聴衆も熱狂し、最後は総立ちのスタンディングオベーション。普段クラシックを聴かないダンナも、楽しめたようです。
ちなみにトリフォノフは先月も来日しましたが、6月25日にもパルテノン多摩大ホールでリサイタルを開きます。プログラムは、私が聴いてきたものと同じ。キラキラの音色を聴きたい方は、是非!