目からウロコの指導法
自分が教壇に立つようになって、「指導法」というものに興味がわくようになった。かつて学ぶだけの立場だったときは「うーん、この先生、声が小さいなあ」「見本訳、やってほしいのに」「時間通りに終わってよ〜」と指導者への不満だらけだった。もちろん、声の大きさや時間厳守、模範訳の提示などは講師として最低限守らなければならないと思う。でもその一方で、講師も聖人君子ではないのだからある程度ミスがあったり、体調不良で今ひとつの授業となったりするのも致し方ないなと思うようになった。自分がその立場になって初めてわかったことだ。
とは言え、より良い授業をするにはどうすれば良いか?それには自分が生徒になって何か習い事をするのが一番だ。そんなわけで私が参考にしているのはスポーツクラブのレッスン。我がクラブはフリータイム制なので、好きなレッスンにいくらでも出られる。引越しや転勤などでこれまで色々なスポーツクラブに所属してきたが、いつも入会直後にやるのは、とりあえずスタジオレッスンを一通り受けてみるということ。そうすることでインストラクターとの相性やレッスンの雰囲気などもつかめるし、自分の出たいクラスも絞り込むことができる。
最近はレギュラーで出るレッスンもほぼ決まっているのだが、先日、たまたまとった代行クラスは目からウロコだった。まず最大の特徴として、指示出しがゆっくりで分かりやすかったこと。このクラスは上級エアロビ系の「ボディアタック」というクラスで、心拍数も上がるし、動きもかなり激しい。でもそのイントラさんには無駄な動きが全くないばかりか、4拍目で次の動きを見せてくれたので、自分が次にどのような振りをすればよいのか安心して入っていけた。これまで難しいと思っていたボディアタックだが、これなら初心者でも楽しめると思った。現に初めて受講したというメンバーも皆、ニコニコしながら踊っている。さらに一曲終わるごとに拍手があがるなんて私自身、初めて!それだけ実り多き45分クラスだったのだ。
「ボディアタックを1時間やると、多い人では600キロカロリーも消費するそうです。これはマシンジムの自転車こぎ3時間分に相当しますよ」とクラスの冒頭で説明していた今回のイントラさん。なるほど、科学的な内容のたとえ話も説得力がある。今度通訳のクラスでシャドウィングをやる際、「毎日シャドウィングをやれば○○日で英語がスムーズに出てくるようになりますよ」と言ってみたい。