ワンちゃんなでるのも場数あるのみ
私はどちらかというとネコ派である。「犬とネコ、どちらが好き?」と聞かれれば、ネコと答える。ネコを見ていると何だかこちらもほんわかしてくるし、日向ぼっこするネコの姿に癒されることもしばしだ。もっとも、ネコの毛にアレルギーがあるため、これまで飼ったことは一度もない。幼少期、よく泊まりに行った祖父母宅で飼っていたネコに対してもすぐ目がショボショボ、鼻がグズグズになっていた。よってもっぱら「眺める派」である。
しかし最近はネコより犬と接する機会が多かった。というのも娘(3歳)が大のワンちゃん好き。8月に出かけた夫の従兄弟宅で、娘は本人の3倍はあるラブラドールを手なずけ、周りの大人を驚かせたほどなのだ。このラブラドール、時々吠えるのだが、娘は初っ端からなでると言うよりも叩くような感じで、気がつくとすっかり仲良しに。兄(5歳)のなで方は腰が引けていたが、娘はワンちゃんに突進するような感じで意気投合していた。
ところが先月、私の叔父宅に泊まったときのこと。こちらには1歳になるパグがいたのだが、まだ子犬だけあって、実の人間の幼児には「ウッヒョ〜!!」と飛び掛る始末。喜びのあまり突進された娘は、その威力に今回ばかりは号泣してしまった。よほどの迫力だったのだろう。パグ自身は愛嬌のあるお顔で、ウレシサを全身で表すべく、尻尾をビュンビュン振っていた。しかし当の娘はもうノーサンキューという感じ。駆け寄ってきたり、吠えたりするたびに「ぎゃ〜!!ごわい〜!!」と固まっていた。しかしガラス戸の向こうにいる限りは「こっちおいで〜」などと娘が手招きして友好関係樹立に励もうとするものだから、パグにとっても判断に困ったことだろう。
かく言う私は、これまで犬というと怖くてなでられなかったのだが、これほどたくさん触れる機会があったのでだいぶ慣れてきた。「通訳の仕事同様、場数を踏むに限るな〜」と、またもや仕事と関連付けたのであった。