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ビー玉石鹸

かの

通訳・翻訳者リレーブログ

 我が家の近くにある皮膚科では、なぜか診察の最後に必ず低刺激石鹸のサンプルを大量にプレゼントされる。店頭にも並ぶこの石鹸、一体なぜ無料で配布されるのか詳しい裏事情はわからない。でもせっかくなのでありがたく頂戴している。サンプル品なのでサイズは500円玉硬貨ほど。大事にしまっておいても仕方ないので、せっせとお風呂場で使うようにしている。
 元々私は試供品を入手したらすぐに使いきりたいタイプ。いつまでも取っておくと物がゴチャゴチャ増えるような気がするからだ。街頭でもらうシャンプー・リンスセットもその日のうちに使いきってしまうし、旅先から持ち帰った小さな歯磨き粉もできる限り早く使い終えたい。化粧品のサンプルについては顔の肌に合わない可能性もあるので、ハンドクリーム代わりに。要するに「サンプル=すぐ使い切る」が鉄則なのだ。
 そのようなわけで、ここのところ我が家はこの小型石鹸を使っているのだが、ある晩のこと、夫が尋ねてきた。
 「・・・あのさあ、この石鹸、いつまで続くの?」
 「うーん、皮膚科でたくさんもらったから、もうしばらくは」
 「この石鹸だとさ、あまりにも小さくて。まるでビー玉で体洗ってるみたいなんだよね。」
 しかもこの低刺激石鹸は通常の石鹸と比べてあっという間にお湯に溶けてしまうとか。使っているうちにどんどん小さくなってしまい、夫としてはこの『ビー玉』が手からこぼれ落ちないようにするだけでも一苦労らしい。
 こうしてクレームが出てもやっぱり処分するのは惜しいので、とにかく使い切るまではこの状態がしばらく続きそう。「これもMOTTAINAIの別バージョンよ」と密かに思っている。

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かの

幼少期を海外で過ごす。大学時代から通訳学校へ通い始め、海外留学を経て、フリーランス通訳デビュー。現在は放送通訳をメインに会議通訳・翻訳者として幅広い分野で活躍中。片付け大好きな2児の母。

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