地図大好き
先々週のハイキャリア「お話当番」で、テンナインのスタッフの方々が「人に道を尋ねられたらどのような反応をするか」について述べていらした。
数年前、「話を聞かない男、地図が読めない女」という本がベストセラーになり、どうやら「女性=方向音痴、地図が読めない」という図式になっているらしい。でもこれって一概に言えないのでは?
と言うのも、私は地図を見るのが大好き。見知らぬ人に道を聞かれるのも大歓迎である。そのきっかけとなったのが、幼少期の体験だ。
小学校時代、父の転勤でヨーロッパに住んでいたのだが、母は地図を見るのが苦手。大陸続きなので車で旅行に出ても、母は地図を握ったまま固まってしまう。それで後部座席の私が「ちょっと貸して」と言ってナビをし始めたのである。当時7歳。現地校に通い始めでアルファベットもおぼつかない状況だった。しかしそれ以上に、カラフルで分厚い地図帳がなんとも魅力的で、ライン川の流れを紙の上でたどったり、スイスの山の名前を一つ一つ読んでみたりと、すっかり楽しむようになったのである。以来、車中の道案内は私の役目となり、結婚後もカーナビはあえて(断固として?)つけず、地図を愛用している。最近は子供づれで家族旅行に出ても、私がついつい地図を読みふけるので、夫からは「地図禁止!周りの景色を見るべし!」と言われてしまうほどだ。
人に道を尋ねられるのも、そんなわけで大好きだ。答えるときのポイントは「鳥瞰図的にとらえて説明し」、「所要時間を必ず添えること」。つまり細かくゴチャゴチャ言うのではなく、主だった建物を目印にして、最後に「ここから歩いて3分ぐらいです」と大まかな目安を言うのである。そうすることで、尋ねた人もあとどれぐらい歩けばよいかわかると思う。
タクシーの運転手さんが目的地の場所を知らないときは、ナビのチャンス!信号のどれぐらい手前のタイミングで左折・右折を言うか、どこを降りる場所にしてもらったら後続車の迷惑にならないかなどを考えるのが楽しいのである。ここまで来ると地図読みやナビは「趣味」ですね。
究極は旅先の海外で道を尋ねられたとき。なぜかこういう機会が結構ある。地図大好き人間の私にとって、旅先でまずやるのが地元マップの入手。それをじっくり読み込んで行動開始となる。そこで道を尋ねられると「待ってました〜!」と内心喜んでしまう。
夫からは奇異の目で見られているが、そのうち「地図を愛する女性の会」でも立ち上げようかと思っている。