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注射OK!では苦手なものは?

かの

通訳・翻訳者リレーブログ

 2007年11月20日付「工藤浩美のビシッと愛のムチ」で、工藤社長が人間ドックの体験談を書いていらした。
 私もフリーランスになって以来、年に一度の健診は欠かさず受けている。病気などの兆候が出る前に、早めの発見、早めの治療をするのも仕事のうちだと思っているからだ。
 工藤社長は注射が苦手とのこと。実はわが家の夫もそう。針を見るだけでもう勘弁して〜という心境らしい。そんな夫は今年の人間ドックの採血時に血管が見つからず、3回も注射されたと疲労困憊していた。
 一方の私は注射OK!しかも一部始終をじーっと見るタイプだ。なぜあんなに細い針が皮膚からちゃんと血管を吸い上げるんだろうと、とても不思議に思いながらいつも見ている。かかりつけ医院の看護師さんが注射のベテランということもあってか、あまり痛まないのが幸いしているのかもしれない。
 ちなみにイギリスで長男を妊娠した時のこと。初期の診察で採血が必要だったのだが、日本とのあまりの違いにびっくりしてしまった。日本ではふつう、心臓に近い方にゴムバンドをしてアルコール消毒し、血管が浮いてくるのを待ってから注射をする。ところがイギリスではゴムバンドはおろか、「乾いた」コットンで皮膚をふいただけ。いや、ふいたと言うより、1、2回「なでた」のみ。それで注射である。それ故か案の定、血管が見つからず場所を変えて3回も刺されてしまった。さすがの私も参ったのを覚えている。
 母親の私が注射OKのせいか、6歳の息子も注射には強い。私と同様、じっくり観察している。お医者さまから「偉いねえ」と褒められるが、本人はずっとそうやってきたので、特に自分がすごいとは思っていないらしい。一方の妹は、お医者さん自体が苦手。待合室では楽しそうに絵本を読んでいるが、いざ名前を呼ばれて診察室に入るや、ものすごーく固まっている。普段そうした表情を見せないだけに、私などつい心の中でクスっと笑ってしまうほどだ。
 さて、注射には問題ない私が苦手なもの。それは「高いところ」である。つまり、高所恐怖症のこと。高層オフィスビルのようにガッチリした囲いがあれば平気なのだが、むき出しの場所だったり、窓が開いたり、隙間風が入ってきたりするようなところだと足がすくむ。たとえば高層マンション、観覧車やスキーリフト、遊園地のサイクルモノレールに歩道橋といった具合だ。歩道橋など以前は平気だったのだが、しばらく渡っていなかったせいか今では結構コワイ。
 通訳者デビューしたころは、同時通訳のマイクボタンを押すこと自体、緊張を超えて恐怖に近かった。もちろん今でも緊張はするが、当時と比べれば大分慣れてきたと思う。となると、高いところへもたくさん出かけて、場数を踏んでいくしかないのかもしれない。

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記事を書いた人

かの

幼少期を海外で過ごす。大学時代から通訳学校へ通い始め、海外留学を経て、フリーランス通訳デビュー。現在は放送通訳をメインに会議通訳・翻訳者として幅広い分野で活躍中。片付け大好きな2児の母。

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