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いよいよ改装

かの

通訳・翻訳者リレーブログ

 今日から改装が始まる。
 うちは賃貸マンションで、本来であれば壁に画びょうすら止められないほどなのだが、今回は例外的に改装を認めていただいた。息子の視力が悪化したからである。
 我が家はダイニングキッチンと隣の和室が壁で仕切られている。子どもたちの遊び場は和室。ちゃぶ台の上で読書や塗り絵、折り紙や粘土遊びなど、さまざまなことをやってきた。牛乳パックで私が作った小さなイスに座り、朝晩そして週末、ここで楽しみを見出してきたのだ。
 しかし昨年11月のこと。息子が就学前検診で目が悪いことがわかった。しかも0.1。これはショックだった。我が家はテレビもほとんど見ないし、ゲームもやっていない。本を読む姿勢も悪くないし、塗り絵や字を書く時も背筋をぴんと伸ばしていた。遠い所もよく識別しているし、看板なども読めているのだ。よって、視力判定は信じられなかったのである。
 年が明けて眼科で診てもらったものの、やはり変わらなかった。お医者様いわく、両親の近眼による遺伝というのはあまりなく、むしろ生活習慣が問題とのこと。つまり、ゲームやテレビだけで悪くなるとは一概に言えず、たとえばものすごい集中力で読書をするだけでも目を酷使しているのだそうだ。
 確かに息子の集中力はすごい。絵本を読み始めると、ごはんやおやつで呼んでも一度では聞こえない。小さい頃は耳を診察した方が良いかと悩んだほどだった。折り紙にしても、完成までひたすらやっている。つまり、一つのことにものすごく集中したため、目が疲れてしまったのだろう。
 「頑張って生活環境を改善し、入学後もクラスの席を前にしてもらえば高学年になるまで何とかメガネなしですむでしょう」と先生。以来、さまざまな試みを取り入れている。
 ブルーベリーを食べるのもそう。寝る前の目の体操もその一環だ。また、タイマーを二つ用意し、15分作業をしたら2分間お休みというルールも設けた。息子は頑張ってやっている。
 そしてダイニングルームと和室の間の壁撤去。これはさすがに自分ではできないので、管理会社に事情を話すことにした。当初は我が家サイドの理由なので、私が自費でやらせていただけたらと打診したのだが、何と、オーナーさんが工事費の一部を負担するとおっしゃってくださったのだ。これは本当にありがたかった。
 工事は水曜日まで続く。壁が取り払われれば開放感が生まれて、部屋もより明るくなるだろう。これなら台所で家事をしながら子どもたちの様子もよく見えるようになる。できる工夫を積み重ねることで、息子の目がより健やかになることを願っている。

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記事を書いた人

かの

幼少期を海外で過ごす。大学時代から通訳学校へ通い始め、海外留学を経て、フリーランス通訳デビュー。現在は放送通訳をメインに会議通訳・翻訳者として幅広い分野で活躍中。片付け大好きな2児の母。

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