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どうしたもんかなあ……

いぬ

通訳・翻訳者リレーブログ

なかなか上手く行かないものだ、と思ったこと2つ。

1つめ。せっかく発足した学生たちの勉強会だが、残念ながら懸念していた通り、参加者が非常に受身になり、先日はついに誰も来なかったとのこと。旗振り役のO君とN君が、落胆した様子で研究室にやってきたので、大いに励ます。

勉強会に来ないで何をやっているのかというと、コンピューター室で宿題をやっているらしい。

そんなもん、1時間ぐらい勉強会に出たところで、大して遅れるわけでもないだろうに。

また、「忙しい」「時間がない」と言いながら、週末は遊びに行って、それをSNSにアップする時間はあるらしい。

せっかく学生たちの自主性を尊重して、言いたいこともこらえてきたのだから、ここで乱入して説教くれるわけにもいかないしな。しかし、音頭とりの2人の学生の気持ちを考えると、何とかしてやりたいとも思うし。

……やれやれ。

2つめ。2年生のクラスの英文添削をしていて、首を捻った。「パキスタンでCIAが、より小型で狙いの正確なミサイルを導入し、無人偵察機から発射してテロリストを暗殺している」という英字新聞の記事を読んで要約し、自分の意見を提示してその理由を述べる、という英作文の課題なのだが、なぜか「核兵器はいけないと思う」という意見を何人も書いている。

核兵器は関係ないだろうと思いつつ、帰りの車中でずっと添削を続けていたのだが、電車を降りたところで恐るべきことに思い至った。

この子たち、「ミサイル=核兵器」って思ってるのか!!!

お、おいおいおいおい。今の時代、核兵器なんか実戦で使えるわけないだろう。5万歩ぐらいゆずって実戦投入されたとしても、核兵器でピンポイント攻撃する意味がどこにある。ちゃーんと「巻き添え被害を局限するために」新型ミサイルを導入したって書いてあるじゃん。どんなに小さな核ミサイルだって、街の一区画ぐらいは消滅するっつーの。

次の授業では、30分ぐらいはかけて背景説明をしとかにゃならんぞ、これは。一応、ウチの大学では出来の良い子たちのはずなんだけれども。

やれやれやれやれ……

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記事を書いた人

いぬ

幼少期より日本で過ごす。大学留年、通訳学校進級失敗の後、イギリス逃亡。彼の地で仕事と伴侶を得て帰国。現在、放送通訳者兼映像翻訳者兼大学講師として稼動中。いろんな意味で規格外の2児の父。

END