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地獄谷温泉

工藤浩美

工藤浩美の東へ西へ

もう1回だけ年末年始のお話しを!
一番印象に残っているのが地獄谷温泉です。アメリカの雑誌「ライフ」にニホンザルが温泉に入浴している写真が表紙を飾り、有名になったのが後楽館という旅館です。外国人観光客がたくさんいました。
地獄谷温泉はニホンザルや他の野生の動物が自然に近い状態で暮らすところなので、人里離れた山奥にあります。当然車では入れないので、駐車場から雪道を30分程歩きました。
後楽館は1864年に開業の木造で出来た建物でしたが、窓という窓にはすべて網がかかっていました。「網をしないとお猿さんが入ってくるんですよ。露天風呂に入る時も、必ず扉は締めてくださいね」と言われました。また「もしもお猿さんがお風呂に入っていても、目を合わせたり、手を出したりしないでください」と注意されました。そして露天風呂をのぞいてみるとお猿さんが気持ちよさそうに入っていました。私も恐る恐るちょっと離れたところに入りました。旅館の方がおっしゃるには、猿も夏は温泉に入らないようで、今の季節だけ味わえる貴重な経験でした。

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工藤浩美

白百合女子大学国文科卒業後、総合商社勤務。
その後通訳・翻訳エージェントに2社、合計11年間勤務。通訳コーディネーターとしてこれまでに数百件の通訳現場のサポートを行なう。 2001年7月に株式会社テンナイン・コミュニケーションを設立。趣味はシナリオ執筆。

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