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風が吹けば桶屋がもうかる

工藤浩美

工藤浩美の東へ西へ

先週の土曜日「今さら木桶」というイベントに参加しました。

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戦前大きな木桶で作られていた酒も、現在はそのほとんどがホーローや合成樹脂のタンクに取って変わられました。

現在、酒以外に味噌や、醤油、酢などは木桶を使う蔵がかろうじて残っていますが、今ある桶の寿命が尽きれば後がありません。木桶職人(桶師)は日本に数名しかいないと言われており、後継者難に直面しています。かつては酒屋が使った桶を、味噌や醤油屋さんが使い回すという循環の輪は、今絶たれています。

木桶仕込みの酒造りを復活させようと、「桶仕込保存会」というのが発足されました。その発足のイベントだったのです。

会場には500名以上の人が集りました。
桶で作られた日本酒の試飲や、醤油、鮒寿司、鮎寿司、塩辛(全部木桶で作られたもの)も試食でき、みんないい感じで酔っ払っていました。

木は呼吸をし、木肌の小さな穴に住みつく無数の微生物が、酒の発酵に影響を与え、独自の味わいになるそうです。

会場のパンフレットに面白いことが書かれていました。

「風が吹けば桶屋がもうかる」

風が吹くと、ホコリが舞う。
その、ホコリが目に入ると眼病になる。
これが悪化すると盲人になってしまう。
盲人になると三味線を習いだす。
三味線が売れれば、猫の皮が必要になる。
猫を捕らえると、ネズミがのさばる。
怖いものなしのネズミどもが、桶をみんなかじってしまう。
そこでおかみさんたちが新しい桶を買いに来るので、
桶屋大繁盛という一代顛末。

世の中どっかで繋がっているとういうことでしょうか?

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記事を書いた人

工藤浩美

白百合女子大学国文科卒業後、総合商社勤務。
その後通訳・翻訳エージェントに2社、合計11年間勤務。通訳コーディネーターとしてこれまでに数百件の通訳現場のサポートを行なう。 2001年7月に株式会社テンナイン・コミュニケーションを設立。趣味はシナリオ執筆。

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