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一人で山に登る

工藤浩美

工藤浩美の東へ西へ

さすがに毎週山に登っていると、そうそう付き合ってくれる人もいません。それでもなんでも夢中になってしまう性格なので、どうしても行きたくなって、一人で登ってしまいます。

「一人の体じゃないんだから、くれぐれも気を付けてね」なんて渡邉に言われると、新婚カップルみたいで、背中が少し寒いです。(笑)

でもその通りで、私は一人だけの体ではなくて、8人の社員と、大切な2200名の登録者とテンナインを頼りにしてくれるたくさんのお客様がいるのです。プライベートであっても、怪我をする訳にはいきません。

ということで、一人で登る時は本当に初心者コースをただひたすら歩きます。奥高尾の影信山に登って、そこから高尾山の山頂まで歩いて、下るコース、約4時間歩きました。

風の音もなく
鳥のさえずりもなく
人の足音も息遣いもなく、
本当の静寂に包まれる瞬間があります

魂が体から離脱していくような
息をすることを忘れるような、怖いとすら感じます。

平日は誰かに会ったり、
電話を掛けたり、
パソコンのキーをたたく音が聞こえたり、
窓から外の車の音が聞こえてきたり、
まったく音のない世界に浸ることはできません。

だからこそ、山に夢中になったのではないかと思います。

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記事を書いた人

工藤浩美

白百合女子大学国文科卒業後、総合商社勤務。
その後通訳・翻訳エージェントに2社、合計11年間勤務。通訳コーディネーターとしてこれまでに数百件の通訳現場のサポートを行なう。 2001年7月に株式会社テンナイン・コミュニケーションを設立。趣味はシナリオ執筆。

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