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カンボジアの今

工藤浩美

工藤浩美の東へ西へ

旅行中小さなトラブルや事件は色々あったのですが、とにかく笑いの絶えない旅行でした。それでも考えさせられる場面もありました。

最終日にトレサップ湖というところで、水上生活の様子を見学に行きました。日本では水道や電気が通っているというのは当たり前ですが、アンコールワットでは中心地を少し離れると生活のインフラはほとんどありません。

私たちの船に子どもたちが乗っていて、いきなり肩のマッサージを始めました。チップをあげるまでやめてくれません。
でもガイドさん曰く「チップをあげすぎると子どもたちが学校に行かなくなる、今はいいけど大人になったら仕事がなくなる」

そういう話を聞いていると、小さな子供を乗せたボートが近寄ってきます。
首にヘビをまいて、「一ドルちょうだい」と言って近寄ってきます。
1ドルは私たちにとっては80円ですが、水上生活は1日1ドルあれば十分生活できるそうです。

小学校6年生まで学校に通える子供は限られているのがここの現実です。教育は本当に大切だと力説するガイドさん。テンナインの社員旅行はとてもガイド運がいいんですが、今回も素敵なガイドさんでした。彼の名前はパナーさん。カンボジアの現状を色々教えてもらいました。

彼は以前新聞記者だったそうですが、大物の賄賂事件を記事にして命を狙われ2ヶ月ぐらい逃げた後、ガイドの仕事をするようになったそうです。

そして、パナーさんは経済的に教育が受けられない子どもたちのための学校を作っています。自分のポケットマネーでNPOを作ったそうです。無理を言ってコースの途中で、彼の学校を少しだけ見学させてもらいました。

子どもたちの目がキラキラしていて、本当に感動しました。

カンボジア人の平均寿命は58歳だそうです。カンボジアには保険もなく、病院も限られている上に限られた人しか行くことができません。火事になっても消防車はお金を払わないと火を消してくれないそうです。

子どもたちと触れ合って、少しの時間でしたが心が洗われる思いでした。
さっそく日本に帰ったら文房具を送りたいと思います。

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記事を書いた人

工藤浩美

白百合女子大学国文科卒業後、総合商社勤務。
その後通訳・翻訳エージェントに2社、合計11年間勤務。通訳コーディネーターとしてこれまでに数百件の通訳現場のサポートを行なう。 2001年7月に株式会社テンナイン・コミュニケーションを設立。趣味はシナリオ執筆。

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