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I was born

工藤浩美

工藤浩美の東へ西へ

私の好きな詩人、吉野弘の詩に「I was born」という詩があります。有名な詩なのでご存知の方もいらしゃると思うのですが、高校生の時最初にこの詩を読んで衝撃を受けました。

少年だった詩人が父と一緒にある境内を歩いていた時、妊婦とすれ違ったことをきっかけに英語のあることに気づきます。

_____本文より____

少年の思いは突飛しやすい。
その時僕は<生まれる>ということが
まさしく<受身>である訳を
ふと諒解した。

僕は興奮して父に話しかけた
やっぱりI was born なんだね

受身形だよ。正しく言うと人間は生まされるんだ。自分の意思ではないんだね
(吉野弘 I was bornより)

少年にとっては英語のただ単なる文法の発見だったのだけど、その後父は少年を産んですぐになくなった母親の話しをかげろうに例えて語ります。

この詩から命の尊さと、はかなさ、人間は生まれた瞬間から、死に向かっているという覚悟を感じました。

だからこそ一瞬、一瞬が大切で、いとおしいものだと思います。

詩の全文はこちら↓

http://ym212152646.fc2web.com/poem-h.y.html

Written by

記事を書いた人

工藤浩美

白百合女子大学国文科卒業後、総合商社勤務。
その後通訳・翻訳エージェントに2社、合計11年間勤務。通訳コーディネーターとしてこれまでに数百件の通訳現場のサポートを行なう。 2001年7月に株式会社テンナイン・コミュニケーションを設立。趣味はシナリオ執筆。

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